第二十四話 国友その二
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「それのことでじゃ」
「それでございますか」
「先にも言ったと思うがな」
こうも言う信長だった。
「行くぞ。よいな」
「はっ、それでは」
こうしてだった。彼等はまず国友村に向かった。そこではだった。
至るところでだ。煙があがりだ。何かを打つ音が聞こえていた。
そうしたものを見聞きしてだ。信長は言うのであった。
「噂以上じゃな」
「そうですな。鉄砲がです」
「あちこちで生産されていますな」
家臣達もこう言う。
「これが国友村ですか」
「その」
「そうじゃ。ここを訪れてじゃ」
それでだというのであった。
「村の長に会おうぞ」
「それではまずはですな」
「馬から降りて」
こうしてだ。彼等は下馬をして馬を止めてだ。村の中に入った。そうしてすぐに村人の一人に尋ねたのであった。
「済まぬが」
声をかけたのは木下秀長であった。
「村の長は何処だ」
「ああ、その人なら」
「うむ、何処だ」
「あちらです」
こう言ってだ。村の奥の一際大きな家を指差すのだった。屋敷と言ってもいい。そこを指差すのだった。
「あちらにいます」
「あそこか」
「はい、あそこです」
こう離してであった。それで、であった。
木下秀長はだ。すぐに信長に話すのだった。
「わかった。それではな」
「はい、それでは」
「今よりですね」
「あの屋敷に」
「行くとしよう。とはいってもじゃ」
信長はここで家臣達を見る。見ればかなりの数だ。
その数を見てだ。信長は言うのであった。
「この数でずかずかと乗り込んでもじゃ」
「なりませぬか」
「それは」
「うむ、止めた方がよいな」
それはだというのである。
「ではじゃ。ここは」
「はい、誰ですか」
「誰を行かせますか」
「あの屋敷に」
「わしは当然じゃ」
信長自身はというのだ。
「わしが行かずして誰が行く」
「確かに。殿がおられずしてですな」
「それは話にもなりません」
「それでは」
「そうじゃ。まずわしじゃ」
またこう言う信長であった。そしてそのうえでだった。
あらためて家臣達を見回してだ。まずは彼に声をかけた。
「吉兵衛よ」
「はっ」
村井であった。彼もすぐに応える。
「まずは彼じゃ」
「畏まりました」
「そして助直」
次は武井であった。
「そなたもじゃ」
「わかりもうした」
「さて、この二人でよいかのう」
信長は腕を組みながら述べた。
「まず問題はないか」
「そうですな。さしあたっては御二人でいいかと」
丹羽がここで主に言う。
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