第二十二話 策には策でその五
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、何者じゃ」
信長は強い顔で津々木に問うた。
「人か。それともあやかしか」
「ははは、それがしがあやかしでござるか」
津々木は二人に刃を向けられてもだ。平然としてそこに立っていた。そうしてそのうえでだ。口を大きく開いて笑いこう言ったのである。
「またそれは面白いことを」
「面白いというのか」
「それがしは紛れも無く人でございます」
口を閉じても笑みのままだった。その顔での言葉だった。
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