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【魔法少女リリカルなのは】魔導師を辞めた高町家の男
第九話 卒園式とはパパが必死に頑張る行事でもある by隼人
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無事になのはが成長し、一段と大きくなったなのはの姿を体育館の後ろの方の椅子に座りながら見つめる。
今さっき、なのはの幼稚園の卒園式が始まったのだ。
外には、まだ早い春の桜が咲いており子供たちを見に来た親たちは涙を流し、感動に慕っていた。
俺は、否、パパ達は全ての力に己の魂を賭けてカメラに注ぎ、娘の写真を一枚でも多く撮る行動をしている。
それはもう戦争規模で、近くではカメラの場所取り合戦が行われている。
俺は、朝早くから卒園式の準備を手伝っていたからベストポジションを獲得していた。
だが、あまりにも多い父親達に押されて、この経験がなかった俺は不利で戦争に敗れ去ったのだ。
「退けええええ!!我が姫の写真が撮れん!!」
「貴様こそ退かんか!!貴様の腐った頭が邪魔でマイエンジェルが見えん!」
「NOおおおおお!!ミーのキャメラがうああああああ!!」
「くっ!?奴の戦闘力は化け物並みか!?」
おい、いい加減にしろよ!!
園長先生が軽く涙目になってるじゃないか!
それに、奥さん達を見てみろ………恐ろしいほどの殺気が溢れてるんだぞ?
気付いて!!パパ達!!そして逃げて!!
俺の心の思いは彼らに届くことなく、警備員の活躍によりパパ達はみんな外へと連行されていった。
正直、あの戦闘に本気で参加していたら死ぬかもしれなかったんだな。
そう思うと、冷や汗が止まらない。
「みんな可愛くなりましたね」
俺の隣に座っている奥さんが話しかけてくる。
俺は、なのはを見て、今までの記憶を思い出して今のなのはと比べる。
「えぇ、立派に育ってくれて嬉しいです」
「はぁ、でも将来は反抗期とかになって苦労するんだなって思うと嫌になりますよね」
「……困りますね」
反抗期か……うわぁ、嫌だなぁ。
そんな事になったら生きてきた意味がなくなりそうだ。
お、園長先生の挨拶も終わり、子供たちが卒園証を取りに舞台まで登って行っている。
なのはの番になり、園長先生から証を貰い、舞台を階段から降りる時に俺の方に気付いたようだ。
嬉しそうに笑顔で手を振っている。
それに答えるように此方も手を振り返す。
「では、これより子供たちによるお別れの歌で最後にしましょう」
再びなのは達が立ちあがり、みんなで仲良く歌を歌い始めた。
子供たちの綺麗な歌声を聞いていると、とっても落ち着いてくるような感覚になる。
それと、嬉しさのあまりに涙が出てきた。
ありがとう、ここまで育ってくれて。
ありがとう、俺の家族になってくれて。
これで、桃子姉ぇ達も喜んでくれるだろう。
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