第85話 ハムさん冀州に現る
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香の元に帰してやると彼に伝えたら、彼は呆然自失の状態でした。
彼は石切り場に送られても数日間は労役をさぼっていたそうです。
そのためにかなり手ひどく現場監督に絞られたそうですが、今は真面目に労役に従事しているそうです。
執務室で仕事をしていると、揚羽が部屋に入ってきました。
「正宗様、幽州の郡大守が面会を願い出ておりますが、如何なさいますか?」
揚羽が来客を伝えてきました。
「郡大守が私に何の用なんだ?」
私は訝しむ表情を揚羽に向けました。
「白蓮殿ですよ」
揚羽は軽くと微笑んで言いました。
「白蓮? 通してくれ。白蓮に相談したいことがあったから調度良い。長話になると思うから中庭に通してくれ。茶の用意も頼む。揚羽と冥琳も同席してくれないか」
「畏まりました。それでは冥琳殿に伝えておきますね」
揚羽は礼をすると執務室から出て行きました。
私が中庭に移動して、しばらくすると揚羽、冥琳、白蓮がやってきました。
「正宗君、久しぶりだね。それに王の爵位に奉じられたそうじゃないか!」
白蓮は満面の笑みで私の出世を祝ってくれていました。
「白蓮、ありがとう。君も大守に出世していたんだね。おめでとう」
私は心の底から白蓮の出世を喜びました。
「アハハ、正宗君に比べたらまだまだだよ」
白蓮は照れて私から視線を反らしました。
「正宗様、立ち話もなんですから、席につきませんか」
揚羽が私と白蓮の話に割り込んできました。
「そうだな・・・・・・。白蓮、揚羽、冥琳、席に座ってくれ」
私は3人に席を勧めると自分も席に座りました。
「あのさ・・・・・・。正宗君、桃香の件、ありがとう」
白蓮は席に就くなり、彼女はバツが悪そうに言いました。
彼女の任地は郡なので、私の城に向かうには桃香の任地を通るはずです。
もしかしたら桃香に会ったでしょうか?
「桃香の県尉の件のことを言っているのかい。それなら、白蓮が礼を言うことじゃないだろ」
私は優しく言いました。
「ここに来る途中、桃香が正宗君に仕事を世話して貰ったと聞いたんだ。本当は私が世話して上げなくちゃいけなかったんじゃないかなと思っててさ・・・・・・」
白蓮は顔を俯いて小声で言いました。
「白蓮も桃香の件では苦労しただろう。だから、気にしなくていいよ」
「正宗君は優しいね・・・・・・」
白蓮は頬を染めて私を見ていました。
「桃香の話は止めないか。胃痛がしてくる」
「正宗君、もしかして桃香が迷惑かけたのかい」
白蓮は不安そうな表情で言いました。
「色々とね。北郷は半年の労役の刑を課したよ」
「北郷
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