第二話 群星集まるその十三
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「雄飛するかも知れません」
またこう言うのだった。
「その可能性は秘めています」
「そうですね。しかし武田に長尾」
「はい」
「北条に伊達、毛利に長宗我部もいますし」
「島津にと。群雄に大きな力を持つ者が出て来ました」
語る明智の目が鋭く光る。
「動きますね」
「動きますか」
「天下は大きく動きます」
彼は見ていた。そこまで。
「ただ。それを動かすのが誰かということですが」
「そうですね。都に一番近いとなるとその細川様ですが」
「細川様は敗れます」
このことが再び話される。
「これは最早です」
「決まりですな」
「そして三好殿がわかりませんので」
「近畿が最も流れがわかりませぬか」
「そうなります。本願寺の勢力もありますし」
「読みぬくいですな」
細川は思わず言ってしまった。
「今は」
「はい、どうなるかわかりません」
明智も細川のその言葉に応えて述べる。
「しかしそれでもです。やがて一人の下に星達が集うでしょう」
「星達がですか」
「日輪の下に」
そこにだというのである。
「集うことになります」
「では光秀殿はそれが織田殿だと思われているのです」
「一度見極めたいと思っています」
その考えを隠さなかった。
「是非共」
「ではその時は私も」
「御一緒して頂けますか」
「是非。その時は大和の筒井殿もお誘いしましょう」
「はい、それでは」
こう話をするのだった。今は彼等は吉法師という人物を見ているだけだった。しかしそれでも感じ取ってはいた。戦国の世に日輪が生まれようとしていた。
第二話 完
2010・6・27
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