第一層クリアにて
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何も思ってないので大丈夫ですよ」
と言い、ニコッと微笑みかけてきた。
その瞬間、胸の鼓動がが高まり顔がほんのり赤くなったのは秘密だ。
とにかく一段落ついた俺達は、名残惜しくも離れて周りを見渡す。
皆ほとんどが胸を抱えて吐きそうになっている人が殆んどだ。心なしか殺気等とプレッシャーを感じさえする。
そうすると、話が終わるまで待ってくれたであろう人達がぞろぞろと集まってくる。
その中で一人のプレイヤーが話し掛けてきた。
「やあ、おつかれさん。夫婦の営みはもういいかい?」
「馬鹿野郎、夫婦じゃねぇよ。しかも営みって言い方がまぎらわしすぎるんだよあんたは」
とお互い軽く笑いながら軽口を叩き合う。隣でサヤが「夫婦・・・いい。」と言っているのは多分自分の幻聴だろう、そう信じたい。
周りもそれにつられて騒ぎ、俺らを茶化す。そしてしばらくするとその騒ぎを作った本人・・・ディアベルが俺に向けて話し掛ける。
「まあなんにしても、お前がその娘を救ったのは事実だ。今回のリーダーの立場から、改めて礼をいいたい。『ありがとう』」
ディアベルがお礼を述べた瞬間、拍手やら口笛やらが辺りを包んだ。
皆が口々に、「やるじゃん色男!」とか、「すっげえスピードだったよな!」と騒ぎだす。
俺は改めてディアベルのほうを向く。
ディアベルは、こちらを向いている。その表情は本当に嬉しそうにしていた。
その顔は憑き物がとれたようにさっぱりしている。
そしてディアベルは、再び皆の方向を向き、声を張り上げた。
「皆!!今回は死者もなく無事にこの第一層を攻略する事が出来た!これも皆が助け合ってお互いをカバーしていたからだと俺は思う!
そして、今回のボス戦は色々学べる物が多かったと思う。かくいう俺も、アイテム欲しさに集団を乱してしまった事は本当にすまなかった!
助けて貰えなければ今頃俺も死んでいたと思う!
まだまだこんなに頼りないリーダーだけど、それでももう同じ謝ちは二度と繰りかえさない!
だから許してくれ!本当にすまなかった!」
ディアベルが皆に向かってもう一度頭を下げると、周りのメンバーから激励の言葉が次々に投げ掛けられた。
「もう気にしてないぞー!」「くよくよすんなよリーダー!」
「皆・・・・」
ディアベルは、許してくれた事が嬉しいのか、肩を震わして大声で伝えた。
「ありがとう!俺は、お前らに会えて本当に良かった!!」
と言った。心なしか、笑っているが目が赤く泣いている事がわかる。
しかし、誰もツッコんだりと不粋な真似はしない。
そしてディアベルは最後にこう叫んだ。
「よし!じゃあ早速始まりの街の皆にこの事を伝えに行こう!!
またその後は、広場で
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