第二話 群星集まるその八
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「そうだな」
「御言葉ですがその通りです」
「我等三河武士」
「竹千代様の為には火の中水の中」
「地獄までも御供致します」
畏まってだ。真剣な顔で述べてきたのである。
「ですからここは」
「何があろうとも」
「止めはせぬ」
吉法師は彼等のその言葉を受けて述べた。
「止めたところでついて来る様な連中ではな」
「有り難き御言葉、それでは」
「我等もまた」
「三河武士は格別じゃな」
吉法師はその彼等を評してこんなことを言ってみせた。
「主への忠義、まさに鋼の如きじゃ」
「誰もが私を見捨てようとはしません」
竹千代はその彼等を見て微笑んでいた。
「私には過ぎた者達です」
「さて、それはどうかな」
「違うのですか?」
「人は家だけ、主従だけでついては来ないものだ」
吉法師はこう竹千代に話すのだった。
「その人も見るのだぞ」
「人をですか」
「竹千代、己を知れ」
また竹千代に対して継げた。
「よくな。その為にも行くぞ」
「はい、それでは」
「では我等も」
「竹千代様、御供致します」
こうして五人が共に来てだ。吉法師と竹千代は馬で駆けた。
吉法師はかなり荒く速く馬を駆った。だがそれでも幼い竹千代は満足についてきた。
そして泳ぎもだ。吉法師のその泳ぎについて来る。最後まで離れることはなかった。
大の大人である五人も肩で息をしている。竹千代も死にそうになっている。しかしそれでもだ。彼は最後までついてきたのである。
「ついて来たな」
「はい」
吉法師の言葉にこくりと頷く。今は服を着て馬をつないでいる木のすぐ傍に向かい合って座りそのうえで柿を食べながら話していた。吉法師が採った柿である。
「何とか」
「いつもついて来るな」
「やるからにはと思いまして」
竹千代は柿を食べながら応えた。それは渋さが微かにある甘さに満ちたものだった。
「それで」
「やるからにはじゃな」
「はい、何があってもやり遂げたいと思っていますから」
「それは馬に泳ぎだけではないな」
吉法師はここでこう問うた。
「そうじゃな」
「おそらくは」
そうであるというのだった。
「剣も学問も」
「馬と泳ぎ、それに学問はしかとしておくのじゃな」
「この三つはですね」
「身体を動かした後で書を読むと実にいい」
吉法師もまたその甘さの中に渋みを含ませている柿を食べている。そうしてそのうえで話すのだった。
「頭によく入るぞ」
「左様ですか」
「学ぶのじゃな。何でもな」
「わかりました」
「どうも御主はうつけではないようじゃが」
おおうつけと呼ばれている自分自身も語ってみせた。
「それでも。そのやり遂げるということはよいことじゃな」
「そうでないと気が済みませぬ」
「よ
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