第84話 桃色の人と再会
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が、張穣ならやりかねないです。
北郷は確かにある意味不幸な人物です。
「桃香・・・・・・。その男の件は不問にしてやる。ただし、条件がある」
私は胃痛を感じつつ、目を瞑って桃香に言いました。
「ほ、本当ですか!」
桃香の表情は分かりませんが、声色からして喜んでいるようです。
「条件はその男に半年の労役を課す。これが私の最大の譲歩だ。彼には労役の間、賃金は支給しない。食事と寝る場所は用意してやる。ただし、彼が問題を起こせば厳しいぞ」
私は話すほどに胃痛が増していきました。
「あ、ありがとうございます。ありがとうございます。その条件で構いません」
私が目を開けると、桃香は涙目でしたが満面の笑顔を私に向けていました。
揚羽は私の側で溜息をついていました。
「その男の件は置いとく。本来、桃香は私の元に何をしにきたのだ?」
私は胃痛を感じながら項垂れました。
「あの・・・・・・。助けて欲しくて、正宗さんに頼っちゃいました。てへっ」
桃香は冒頭言いずらそうでしたが、最後は悪戯ぽっく舌をチロッと出しました。
一瞬、私は彼女に言い知れない殺意を覚えました。
「私は罪人の助命をしてやった上に、お前の頼みまで聞かなくてはいけないのか?」
私はジト目で桃香に言いました。
「桃香様・・・・・・。少々、図々しいです。いえ・・・・・・、かなり図々しいですよ・・・・・・」
関羽は先ほどの緊迫した空気と違った、のほほんとした空気と桃香の行動に頭が痛そうに自分の額に手を当てていました。
「愛紗ちゃん、しょうがないじゃない。もう糧食が少なくなって、背に腹は変えられないの・・・・・・」
関羽は桃香を「言うだけ無駄だ」という表情で見ると、それ以上何も言いませんでした。
「正宗さん、お願いします。食料を分けてください」
関羽が黙ると桃香は立ち上げって、私に頭を下げて言いました。
「私の元にある食料は冀州の民の物であって、私の物ではない。お前にただでやれる訳がないだろう。はぁ・・・・・・」
「正宗様、よろしいでしょうか?」
私は桃香のごり押しに癖癖して、頭を押さえていると冥琳が話に割り込んできました。
「冥琳、何か言いたいことがあるのか?」
「劉玄徳は黄巾賊討伐に携わっていたと聞き及んでおります。ならば、未だ黄巾賊の残党の所為で緊張が続いている幽州の国境にて警備を任じてはいかがでしょう。その対価として、糧食を都合してやっては」
私は冥琳の献策に乗ることにしました。
幽州との国境ということは上手くすれば桃香は冀州から出て行ってくれるかもしれないです。
適当な官位をやればいいでしょう。
そういえば、劉備は黄巾賊討伐の論
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