第84話 桃色の人と再会
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であろう」
私は小細工をせずに桃香に聞きました。
「えっと・・・・・・。違います・・・・・・」
桃香は言葉少なく返答しました。
「桃香、その男をお前の手で殺せ。そうすればこの一件は見なかったことにしてやろう。これは白蓮との知り合いであるお前への温情と思え」
私は拒否を許さないと言わんばかりの態度で言いました。
「正宗さん、何を・・・・・・」
桃香が発言しようとするのを私は殺気を放って止めました。
「お前がやらぬなら、この私が殺す。だが、その場合、お前達も生かしてはおかない」
「劉将軍、お待ちください。桃香様は何も悪いことはしておりません。民の笑顔を見たいと義勇軍を立ち上げただけです。この私が北郷を殺します」
愛紗が青龍偃月刀を強く握り、覚悟を決めた表情で応えました。
「お前の名は?」
「私は関羽、字は雲長と申します」
「ならば、お前が朝廷に弓引く逆賊に天誅を加えよ。特別に褒美をやろう」
私は殺気を納め、関羽の目を見て言いました。
「褒美ならば、桃香様にお与えください」
「愛紗ちゃん、勝手に何を進めているの!」
桃香は関羽に掴みかかって、抗議をしました。
「別に、良いではありませんか? 北郷が死んでも影響は別にありません。逆に清々します」
関羽は意外なほど北郷を殺すことに対し、拒否感がないようでした。
「何いっているのよ! 皆でこれまで頑張ってきたじゃない。そりゃ駄目な人だけど、仲間じゃない」
桃香は関羽の態度が許せないようでした。
「正宗さんの言う通り、北郷さんは天の御使いを一時期名乗ってました。最近は全然名乗っていません。だから、許してあげてください」
そういうと桃香は私に土下座をしてきました。
「劉玄徳、そのような真似をして正宗様のお心を乱すつもりか?」
揚羽は桃香を厳しい表情で見据えました。
「では、お前は私達に死ねと言っているのか?」
「それはどういう意味ですか?」
桃香は正座したまま、頭を上げて聞いてきました。
「揚羽も言っていただろう・・・・・・。私はお前と出会った頃の無位無官の私とは違い、朝廷の重臣。その私がその男を見逃せば、心ない朝廷の家臣はきっと私を貶める材料として利用するだろう。そうなれば、この私が逆臣となるだろう」
私は無表情で桃香に応えました。
「えっ・・・・・・」
桃香は私の話に顔を伏せ黙りました。
やるせない気分です。
私が悪人みたいじゃないですか・・・・・・。
桃香に言った通り、このことが張穣の耳にでも入ったら予想通りの結果になりかねないです。
ですが、霊帝が死ぬまでは大丈夫・・・・・・。
と言いたいところです
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