第84話 桃色の人と再会
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「桃香が訪ねて来ているだと?」
私がお爺々様、朱里、雛里の3人を清河国に残し、冀州刺史の治所に帰還したら、望まぬ来客の報告を冥琳から受けました。
どうせ私にたかりにきたのでしょう。
「はぁ・・・・・・」
私は思わず深いため息をしました。
「正宗様、不味かったでしょうか? 真希や凪達から、劉玄徳と正宗様はあまり仲良くないと耳にしておりましたが、面会もせずに無碍に帰しても体裁が悪いと思いましたもので・・・・・・」
冥琳は申し訳なさそうに言いました。
「冥琳は気にすることはない。お前の言い分も最もだと思う。気が進まないが桃香と面会をしよう。それで彼女は今何処に?」
私は冥琳を気遣いつつ、桃香の居場所を聞きました。
「劉備は3000の義勇軍を率いておりまして、城下の者に対し悪戯に混乱を招きかねないと考え、私の独断にて城より西に100里の場所に駐屯するように手配いたしました。事後報告で申し訳ございません」
冥琳は頭を下げました。
「そんなことは気にするな。私もそれで問題ないと思う」
「ありがとうございます。それと、遅ればせながら、正宗様、揚羽殿、ご婚礼お目出度うございます」
冥琳は私に婚礼の祝辞を述べました。
「冥琳、ありがとう。本来なら、皆を婚礼に呼びたかったのだが、何分私の預かりしらない処でことが進んでいたし、冀州を留守にするのも問題と思い、参加者を勝手に決めてしまって済まなかったな」
「いえ、お気になさらないでください」
冥琳は笑顔で応えました。
「冥琳、桃香を呼んできてくれないか?」
「畏まりました」
私は新たに士官した者達の紹介は後回しにして、一先ず桃香と面会することにしました。
私は謁見の間で玉座に座して、揚羽と一緒に桃香達を待っていました。
ほどなく、冥琳は城外から桃香、北郷、関羽を連れてきました。
「正宗さん! 車騎将軍、冀州刺史、鉅鹿郡大守の就任。そして、王の爵位に奉じられたそうですね。おめでとうございます」
桃香は私の出世のお祝いを述べた後、頭を下げました。
北郷と関羽もそれに倣って頭を下げました。
「あのさ、ちょっと聞いて、ぐふっ・・・・・・」
桃香の後ろにいた北郷が私に声を掛けて来たので、そちらを振り向くと関羽が青龍偃月刀の石突きで北郷の後頭部を突いて昏倒させていました。
「桃香、その者が私に声を掛けてきた気がするんだが・・・・・・。良かったのか・・・・・・」
私は北郷をヘマをさせて、桃香達を体よく追い出そうと思っていたので、出鼻を挫かれてしまいました。
北郷の桃香陣営での扱いもなんとなくわかりました。
どうやら、原作通り「ご主人様」とは祭り上げられて
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ