第二話 群星集まるその七
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「よいな、決して許すな」
「絶対にですね」
「左様、そして成敗するのだ」
そうせよというのであった。
「わかったな」
「はっ、それでは」
「さて、話はこれで終わりじゃ」
ここまで話してだ。吉法師は満足した顔で笑った。そのうえで席を立った。
政秀はその主を呼び止めた。
「お待ち下さい」
「何処に行くかか」
「左様です。どちらに行かれますか」
「人質のところに行く」
そこだというのである。
「少しな」
「竹千代殿ですか」
「三河からのひょっ子、少し会って来る」
こう満足そうに言うのである。
「今からな」
「殿は随分とあの方をお気に入りのようですな」
「ふふふ、何か面白い奴じゃ」
吉法師は実際に今度は楽しそうに笑っていた。その笑みと共に言うのである。
「生真面目じゃがそれでいてな」
「面白いと仰るのですね」
「何処かな。あれは人質で終わる男ではないな」
不意にこんな評も述べてみせた。
「それではな」
「終わらぬというのですか」
「三河。今は小さい」
三河は今織田と今川の争いの地になっていた。かつて松平広忠という男がいたが若くして家臣に殺されてしまった。他ならぬその竹千代の祖父である。
「しかしあ奴が長じた時にはわからぬな」
「そう思われますか」
「もっともわしはそれより大きくなる」
自分自身のことも述べてみせた。
「さらにじゃ」
「だとよいのですが」
政秀の最後の言葉は溜息だった。しかし吉法師はそれは聞かずその竹千代のところに向かった。
竹千代は今は自分の部屋にいた。そこに五人の者もいた。吉法師は部屋に入るとまず彼等を見た。そのうえでの言葉であった。
「いつも大儀だな」
「これは吉法師様」
「こちらに来られたのですか」
「うむ、そなた達の主に会いに来た」
にやりと笑ってだ。こう彼等に告げたのだ・
「竹千代にだ」
「殿にですか」
「ではまたですか」
「馬にですか」
「それに泳ぎじゃ」
それもだというのだ。
「馬に泳ぎじゃ。それに連れて行く」
「吉法師様は毎日それをされますな」
「何があろうとも」
「当然じゃ。その二つがあってこそ生きられるのだからな」
今度は不敵な笑みを浮かべての言葉だった。
「まずは馬と泳ぎじゃ」
「その二つを」
「槍や弓ではなくですか」
「そういったものは後でよい」
彼は竹千代の家臣達にこう話した。
「まずは馬と泳ぎじゃ」
「その二つですか」
「それからですか」
「うむ、それでじゃ。竹千代」
「はい」
竹千代は立って彼の話を聞いていた。そのうえで今その言葉に応えたのである。
「今からですね」
「そうじゃ。行くぞ」
「では我等も」
「お供させて頂きます」
五人の家臣達がだ。そ
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