第十五話 異装その一
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第十五話 異装
道三は今三人の男達と会っていた。まずは彼等であった。
厳しい顔の男がだ。まずは名乗った。
「稲葉通朝只今ここに」
「うむ」
続いて細面で口髭の男である。
「氏家直元」
「来たな」
三人目はだ。穏やかだが鋭い目を持つ男だった。
「安藤範俊」
「よし」
道三は彼等の顔を一人ずつ見ながら頷く。そうしてそのうえで言うのだった。
「美濃三人衆揃ったな」
「はい、ここに」
「参りました」
「急に呼んだのには訳がある」
道三は己の前に控える三人に話す。場所は小さな寺である。間も無く会見の場である正徳寺という場所にある寺だ。そこで三人と合流したのである。
その彼等にだ。道三は話すのだった。
「そなた達に見せたい者がおるのじゃ」
「尾張のですか」
「帰蝶様の婿殿」
「左様ですね」
「流石よのう。察しが早いな」
その通りだというのだった。
「そうよ、あの尾張の大うつけじゃ」
「その大うつけ殿に我等をですか」
「是非見せたいというのですね」
「だからこそ」
「来てもらった。無論」
既に己の前に控える大男にも告げた。
「不破光治」
「はい」
「御主にもだ」
その大男の名前も呼んでみせたのであった。彼もそれに応える。
「大うつけを見せたい」
「大うつけだからですか」
「そういうことじゃ。そなた達に見せたいのじゃ」
また言う道三であった。
「よいな」
「ううむ、大うつけ殿をと言われましても」
「これは」
「面妖な話でありますな」
三人衆はここでそれぞれ難しい顔になるのだった。そのうえでだった。自分達の主に対してその顔でこう問うのであった。そうせずにはいられなかった。
「我等に合わせたいとは」
「それがわかりません」
「何故でしょうか」
「知れたこと。大うつけだからよ」
それを理由だと言う道三だった。
「だからよ」
「大うつけだからですか」
「それで、なのですか」
「我等に」
「左様、そして」
道三はもう一人を見た。色は雪の様に白く女と見まごうばかりの整った美しい顔を持つ小姓を見てだ。その彼に対しても声をかけたのである。
「半兵衛」
「はい」
半兵衛と呼ばれた彼もまた主の言葉に応える。やはり女の様な声である。
「そなたにもじゃ」
「私にもですか」
「何故かわかるな」
「申し上げて宜しいでしょうか」
道三の言葉を受けて彼はこう主に申し出た。
「それは」
「いや、よい」
だが道三はそれを許さなかった。こう返すのだった。
「それはだ。よい」
「左様ですか」
「竹中重治」
今度はこの名前を呼んでみせる道三だった。
「そなたもまた見るのだ」
「織田信長殿を」
「孔
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