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木の葉芽吹きて大樹為す
若葉時代・火影編<中編>
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く不可能ではない。
 各国で忍び達が纏まりあるとはいえ、依然として木の葉がリードしている状態は続いたままだ。

 発展途中の各隠れ里を襲撃して、木の葉の名の下に従わせる。確かにそれは手っ取り早いやり方ではある――けれど。
 そうして生まれるのは一種の独裁国家だけだ。力で押え付ければ、表面的には従ってはいても、人々は木の葉へと反発し何時かは暴発する。

「反発が起こるのであれば、力で捩じ伏せればいい。それが不可能な貴様ではないだろう」
「ああ。確かに可能だろうな……しかし」

 皆が息を飲む中、私は静かに宣言する。

「――オレは今後もそのような手段をとるつもりは無い」

 その先に、私が望む世界は無いから。
 私の欲しい世界は、暴力と理不尽さの先には見つけられない。

「――だから先の滝隠れの襲撃も追い払うだけで追撃する事もせず、貴様はこのまま岩との話に応じるだけのつもりなのか?」
「そうだ。世に平和が訪れた今、過剰な反応は容易く火種に変わる。それだけは避けたい」

 ……気のせいだろうか。
 何かに――皹が入った音がした。

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