若葉時代・木の葉編<後編>
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戦火は減少する。
戦争が起きる前にその原因となるものを片端から潰していくなり、やり方は色々とあるのだから。
そう言えば、深々と溜め息を吐かれた。
「そう上手くいく物か。現にここに至るまでにどれだけの血が流れたのか忘れた訳ではあるまい」
「忘れる訳が無いだろ」
端的に言って、口を閉ざす。
向こうもそれ以上何かを言ってくる気はないらしく、暫しの間私達の間には沈黙が流れた。
「お待たせしました。キノコの雑炊といなり寿司に成ります」
「やあ、待ってたよ。いつもありがとうね」
「い、いえ! こちらこそ、毎度ご贔屓にさせていただいております!」
注文の品を持って来てくれた店員さんに微笑みかければ、真っ赤になって頭を下げられた。
そんなに畏まる事無いのにね、変なの。
「で、では! どうぞごゆっくり!!」
「うん。味わって食べさせいただくよ。――どうした、マダラ?」
「貴様……いつも今の様な事をしているのか?」
「そりゃ、ここは行きつけのお店だからね。それがどうかしたのか?」
言いたい事が分からなくて、首を傾げる。
ちょ、待って! なんで万華鏡写輪眼!?
周りの人達はやけにびくびくするし、私も内心ではドキドキだ――何をされるのか分からない恐怖で。
初めて出逢った時から思っているが、こいつ程考えが読み難い奴はいないよ。
赤い目が私を睨んで、それからいなり寿司を見据える。そうしてから、目が普段の色に戻った。
――ほ。
なんだか訳が分からんが、ひとまず落ち着く。
「何も変な物は入っていない様だな」
「あのね、マダラ。その台詞は料理人さんに失礼だよ」
そう言えば鼻で笑われました、何故だ。
お昼を食べ終われば、先程奥に引っ込んでいった店員さんがやけに赤い顔をして、私達へと茶菓子とお茶を差し出してくれていた。
少々暑い日々が続く今日の様な日に相応しい、透き通った若葉色のお菓子だ。
「あ、あの……柱間様、これ……!」
「へ? え、いいの?」
「は、はい! 普段からご贔屓にさせていただいていますから! お礼です、いつもの!!」
「へぇ、綺麗だな。でもこれ、どうしたんだ?」
「いえ、その……、この里の名前が木の葉に決まったから、それにあやかって私が作ったんです!」
「そうか。じゃ、遠慮なく頂きます。わざわざありがとうね」
そう言えば、真っ赤になって下がっていってしまった。
微笑ましく見つめていれば、私の足が思い切り蹴られる。
――い、痛い!
「なにすんだ、マダラ! 痛いじゃないか!!」
「足が滑った」
涙目になって睨みつければ、素知らぬ顔で自分の分の茶菓子を食べ終えていたマダラ。
今の絶対わざとだろ……! と
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