暁 〜小説投稿サイト〜
木の葉芽吹きて大樹為す
若葉時代・木の葉編<後編>
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
って。どうせ一人でご飯食べるんだろ? だったら一緒に食べようぜ。何だったらオレが御馳走するから」

 自分でも恩着せがましい言い方だとは思うが、これくらい押さないとこいつには効力が無いからなぁ。
 千手内でもまだ何処かマダラを警戒している様子があるし、マダラ自身も知っててそれを……なんというか……切り捨てている様な気がする。
 私としても同盟を結び、連合の仲間に成った以上、そのままでいいとは思えない。
 なので執拗に声を誘って……――やっとの事でマダラが頷いてくれた。

「そう? 行ってくれるの、じゃあヒカクさんも一緒に……」
「い、いえ! 自分は大丈夫ですから!!」

 高速で首を左右に振るヒカクさん。
 にしてもやけに顔が青ざめている様な気がするが……何を見てんだろ? マダラだろうか。
 そう思って振り返ってみたが、常の如く不機嫌そうな顔のマダラだけだ。
 この程度ならヒカクさんも見慣れているだうし、何だったんだ今のは?

 ――飯屋に行く途中で、桃華に慰められているヒカクさんの姿がやけに気になった。



「木の葉も大分様に成って来たよなぁ。そう思わないか、マダラ」
「そうだな。火の国との話も順調に進んでいるし、近いうちに貴様の考え出した一国一里制度は各国に受け入れられる様になって来るだろうよ」

 其処に行き着くまでが大変そうだけどね。
 でも成功例があると知れば、誰もがそれにあやかろうと動き出すのは必然だ。そうする事でそれまでバラバラだった各国の隠れ里は次第に統一されていく様にあるだろう。

「国が纏まるのには時間がかかるけど、それまでの数年間は各国の国力を高めるために世界に平和が訪れるだろう。だったら、動き出すのは今しかないよな」
「……そう。結局の所、この現状は一時の平穏にしか過ぎない」

 向かい合って飯屋の席に着いた私達を囲む様に、外食に出て来た里の人々の姿がある。
 その姿を何とも為しに見守っていた私は、正面から強い視線を寄越して来るマダラの目と目を合わせた。

「現状、一国一里制度で最も進んでいるのは木の葉だ。他の国の隠れ里が纏まるのにも未だに時間はかかるし、それから新たに里と言う形を作っていくのにもそれなりの時間が必要になるだろう。異論はあるか?」
「……ない」

 ――頬杖を付いて、そっと視線を伏せる。
 閉ざされた視界の代わりに耳に届くのは、子供達の元気一杯な声と笑い合う人々の心温まる会話の数々。どれもが今までの私達には縁遠かった物ばかりだ。

「だからこそ、オレはこの隙を逃すつもりは無い。なんせ、世界各国で忍び達が疲弊しているのは事実。この間に同盟でも何でも結んで、今度は一族同士ではなく、国と国に存在する里同士で平和を保てばいい」

 そうすれば一気に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ