若葉時代・木の葉編<前編>
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」
「どうして分かるんだ、マダラ殿ぉぉぉおお!」
「ほーら、見ろ! 遂に来たよ、オレの時代!!」
以前、志村の旦那にけちょんけちょんに貶された一品を持ち出して、マダラへと差し出せば淡々とした声で答えてくれる。
けど、マダラが正解する度に周りの人々の目がどんどんと死んでいくんだけど。
「信じらんねぇ……。今まで扉間様を始めにどなたも頭領の盆栽を理解出来なかったってのに」
「前衛的っていうか、異次元的な代物だからな。あれは」
「それが理解出来るうちはの頭領って……もしかして」
揃って私とマダラに懐疑的な眼差しを送って来る人々。でもちっとも気にならないぜ!
なんたって、とうとう私の作品を理解してくれる人が出て来たんだもの!! 万歳!
「どうしてこれが竜だと理解出来るんだ! どう考えても干涸びかけた蚯蚓だろぅ!?」
「僕には死にかけの鳥類にしか思えないんだけど」
「秋道に同意」
「ワシも同じく」
それまでだったら酷評に心が挫けていただろうが、生憎と今日の私はそれを受け止められるだけの心の広さを持っているのだ。
マダラを除いた人々が私の歴代の作品の前に陣取って、ああでもないこうでもないと騒ぎ合っていたら、邸の奥より銀色の頭が覗いた。
「やけに騒がしいと思ったら……兄上、何をなさっているのです?」
「聞いてよ、扉間! とうとうオレの作品の理解者が現れたんだよ!!」
「え……?」
固まった弟の腕を取ってぶんぶんと振り回せば、扉間の視線が泳ぐ。
そうして、ただ一人騒ぎに混じる事無く腕を組んでこちらを見つめていたマダラへと視線が合わさって、口の端を引き攣らせた。
「まさかとは思いますが……うちはマダラが?」
「そう! いやー、世界は意外と狭いね。こんな身近に理解者がいただなんて想像もしなかったよ」
えへへ、と笑えば、扉間がやけに絶望した表情で私を見やる。な、何故だ?
「姉者……。間違っても嬉しさのあまり抱きついたりしていませんよね?」
あ……。
潜められた声に、慌てて視線を逸らす。
その反応だけで付き合いの長い弟には理解出来たらしい。どうしよう、気まずい。
にしても感情が昂っていたとはいえ、私はあのうちはマダラに抱きついたのかぁ……よく殴られるだけで済んだよ。須佐能乎の攻撃食らっても可笑しくなかったよね。
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