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戦国異伝
第百十話 切支丹その十一
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武田や上杉、北条も政には心を砕いておる」
 田を開墾し耕し堤を築く、町を整え道を作っていっているのだ。
 それで彼等も豊かになってきている、だからこそだというのだ。
「東のそうした大名達に対するには」
「やはり我等も国を豊かにするしかありませぬ」
「そうじゃ。やはり田を多くし町も整える」 
 楽市楽座をするしないに関わらずそうするというのだ。
「それからじゃな。より戦に出るのは」
「戦は何時でもできます」
 片倉も政宗に焦るなと告げる。
「まず大事なのは治めることです」
「そして力をつけてから」
「最上や佐竹、蘆名に対しましょう」
「そういうことじゃな。では暫くは政に集中するとしよう」
「さすれば」
 片倉が家臣達を代表して政宗に応える。水色の衣が一斉に動き政宗に頭を垂れる、政宗はそれを受けたうえで今は政にかかることにした。遠い西の信長を見据えながら。


第百十話   完


                          2012・10・10
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