第百九話 尾張者達その五
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ろ天下の不便者」
「そういう者達ですから」
これがその慶次と可児の返事だった。
「文ならできますが」
「政はどうしても」
「御主達に政をせよとは言わぬ」
信長も笑って言う。
「御主達は御主達の出来ることをせよ」
「では不便者を目指します」
「これまで通り」
「全く。殿はこの二人、特に慶次に甘いですぞ」
信長は笑っているがそれでも平手は苦い顔で袖の中で腕を組みこう言うのだった。
「こ奴は暇があれば悪戯をしますが」
「いやいや、頭を働かせております」
啓次は己の左手を頭の後ろにやってひょうきんな笑顔になっている。
「頭も常に動かさなければ鈍くなります故」
「では和歌なり書なりあるであろう」
「風流もいいですが身を立てる学問はしませぬ」
慶次の学問は楽しむものだ。だからなのだ。
「そうしたことは嫌いで」
「気の赴くままに学ぶというか」
「左様です」
「学問はせよ」
平手は平手らしく注意する。
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