第89話 ミッド襲撃
[1/10]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「君が黒の亡霊か?」
「はい。初めましてティーダ・ランスターさん、俺は有栖零治と言います」
皆に協力を仰いだ次の日、朝早くから皆、それぞれ動き出した。
目的はシャイデの発見と即時確保。
アイツの狙いがバルトマンならミッドに必ずいる筈。
今日の15時には本局へアイツが着くだろうからそれまでに見つけて止めさせないといけない。
とりあえず4組に別れてもらい、ドゥーエさん、トーレさん、チンク、ディエチに案内してもらいながら、心当たりのある場所を片っ端から探してもらっている。
ちなみにキャロ、ルーテシアにはとりあえず学校に行ってもらっている。ゼストさんとメガーヌさんには2人の面倒を。小学校は中学校と違って休みじゃないからな。
そんな中俺は、昨日の内にティーダさんに連絡して、先輩の墓に案内してもらえる様に頼んだ。
ミッドの外れにある小さな墓地。
ここに先輩が眠っているらしい。
何故らしいなのかというと、俺とシャイデは先輩の葬式に出ていない。
当時の俺は死んだって事実を心のどこかで否定したかったんだと思う。あの時は無我夢中で戦いに明け暮れていた。
シャイデの心中は未だに分からない。
「ここが………」
「そう、ウォーレンが眠っている場所さ」
墓石には『ウォーレン・アレストここに眠る』とかかれている。
「先輩、遅れてごめん………本当はまだ来るつもりは無かったんだけど、シャイデの事を知らせておこうと思ってね………」
俺は静かに先輩の墓地に話しかける。
「シャイデはどんな手段か分からないけど先輩の仇を討とうとしてる。いや、もしかしたら死ぬつもりなのかもしれない。………シャイデは俺達の母親代わりの人だ。星だって、ライだって、夜美だって、フェリアだって、キャロだって、アギトだって、優理は………微妙だけど、それに他のみんなもシャイデの為に動いてくれてる。だからどんなことがあってもシャイデを止めてみせる。そしてそれと同時に先輩との約束を守るよ………」
そう言いきって俺は立ち上がり、ティーダさんの方を向いた。
「今日はお付き合いいただきありがとうございます」
「………ウォーレンは良い相棒を持ったな………葬式の時は薄情な奴だと思っていたけど、こちらの早とちりだったな」
「いや、行かなかったのは事実ですから………今日は本当にありがとうございました」
そう言って俺は歩き出す。
「行くのかい?」
「はい、一刻も早く見つけなくちゃいけないので………」
そう言い残して歩き出すと、
「………零治君!!」
ティーダさんに呼ばれたので、振り向くとカードが投げられた。
それを上手くキャッチし、カードを見る。
「これはデバイスですか?」
「ああ、あの時渡すはずだ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ