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戦国異伝
第百八話 茶の湯の南蛮人その七
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か」
「しかし織田殿はでおじゃる」
 山科は信長のその言葉を聞いていぶかしむ顔でこう返した。
「既に室町殿に二条城の普請をされておられますな」
「はい」
「それに室町第も」
「その通りでございます」
「しかもご自身のお屋敷も築いておられる」
 城や屋敷に銭がかかることは言うまでもない。ここでも異朝の話が大きく出される。
「秦の始皇帝とまでは言いませぬが」
「しかしですか」
「そうでおじゃる。大丈夫でおじゃるか」」
「ご安心下さい」
 信長は山科の問いに微笑んで返した。
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