第88話 動き出す者達
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「で、どうなのこの子の調子は?」
薄暗い一室。
一組の男女が手術台のような机を間に挟んで話していた。
「ふむ、まだ拒絶反応が多少見えるが、これくらいなら許容範囲だろう。いつでも始められるよ、君の復讐を………」
男にそう言われ、机に寝かされた女の子を見る。
その女の子の頭には多くのコードが伸びており、首には何かの機械の首輪がついている。
「じゃあ、早速明日動くわ。アイツは今どこにいるの?」
「今日中に第9無人世界グリューエンから本局の拘置所へ移送されるだろう。死刑まであと半年に迫ってきたからね。移送完了は大体15時位になると思うよ」
「なら明日の15時に始めるわ」
「おや?もっと早く始めなくて良いのかい?」
「ええ、それで良いわ」
「分かったよ、ならばそれまでしっかりと調整しておくから君は隣の部屋で休んでれば良い」
「結構よ、あなたは私に協力してくれてはいるけど信じられないから」
「おやおや………」
男は苦笑いしながらつぶやいた。
「まあ無理をしないように頼むよシャイデ・ミナート」
「貴方こそ失敗は許されないんだからねクレイン・アルゲイル」
その後は2人とも何も喋らずただ単に時間だけが過ぎていった………
「バルトマン・ゲーハルトがミッドに来る?」
神崎は自分の家の机に座り、ディスプレイを見ていた。
自分の所属している武装隊からメッセージが入っていたので、折り返し連絡したのだが………
『はい、半年後の死刑のためだって聞きました』
ディスプレイに写っている武装隊の一人が言う。
今日は色々とあって家でゆっくり休みたかったんだけど………
「………俺、明日も完全休暇の筈だったよな?」
『こっちも困ってるんですよ!!いきなり上から移送を早める伝達を受けて………』
「上から………」
神崎はその言葉に嫌な予感を感じた。
原作では全くというほど触れられていない場所ではあるが、この世界は既に原作離れしている。
何が起こるか分かったもんじゃない………
「はぁ、何事も無ければいいけど………」
神崎大悟。
心代わりしてからというもの、皆からの評価がかなりうなぎ登りし、実質上管理局最強の魔導師と共に、管理局最後の砦でもある………
『私達も警備ですか?』
「ああ、そこまで神経質になる必要もねえと思ってるんだがな、上からの命令でな………」
『分かりました、なら私も行きます』
「ああいいって、いいって!!はやての嬢ちゃんは少ない休みなんだからゆっくりしとけって。どうせ警備だけだから大丈夫だって」
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