第87話 零治の過去 3月10日
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んだ……
「なあ零治?」
「何ですか?」
「お前さ、いやお前らか。この事件が解決したら一緒に生活しないか?」
本当に唐突だった。
いつもいきなりが多い先輩だが、こればっかりは予想できなかった。
「何を言っているんですか?」
「いやな、この事件が終わったらさ、俺プロポーズしようと思ってさ………」
まあこの2人の仲は結構深そうだったからそれくらいは予想出来たけど、取り敢えず今言って欲しくないんだけど………
「先輩、それ死亡フラグですよ………」
「いいんだよ、そっちの方が頑張れるじゃん」
考え方が先輩らしいけど………
「俺はおめでとうと言っておけばいいんですか?」
「まあ話は最後まで聞け。それでお前達………確か零治含めて4人だっけ?俺とシャイデ含めて6人で暮らさないかって言いたかったんだよ」
………6人で?
「俺とシャイデってさ、小さいときに親を両方共無くしてるんだよ。だからこそシャイデとは共通点が多かったし、結構分かり合えたんだよ。それにシャイデは俺と違って今まで一人で生きてきたみたいだからな。俺にはランスター兄妹がいたけどシャイデには誰もいなかったみたいなんだ………だからこそ俺はアイツを心から支えてやりたいと思ったし、似たような境遇の零治達には俺やシャイデとは違い、楽しく暮らしてほしいと俺は思ってるんだ。シャイデだって絶対にOKしてくれると思うし」
本当にこの人は………だけど、
「その話は先輩がうまくいった事が前提になりますよね?」
「大丈夫、俺絶対に諦めないから」
「そういう問題じゃないし………」
全く、ポジティブ過ぎるだろ先輩………
だけど先輩らしいや。
「だけど俺含めてみんな一癖ありますよ?」
「むしろ無いとつまらん!!」
サムズアップしながら言う先輩。
そんな先輩を見て自然に笑みがこぼれた。
「もっと笑っていこうぜ零治。いつもぶっきらぼうで冷静でガキっぽく無いとずっと思ってたんだよ。だけど家族を持てば自然と笑えるようになる。俺は実際にそんな経験は無いけど、絶対そうだって断言出来る!!だからその手伝いを俺がしてやるよ」
………いつからだろうか、俺がこんな感じになったのは?
こっちに転生してきて、誰も頼る相手がいなくて、それでも生きなくちゃいけなくて、俺は毎日が必死だった。
学校に行っても基本1人だし、先輩達と出会ってなかったらもっと悲惨な事になっていたかもしれない。
「………ありがとうございます先輩」
「ちゃんとお父さんと呼ぶ練習しとけよ?」
「それは遠慮しときます」
そんな事を話ながら俺達はさらに奥へと進んでいった………
「おかしい
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