第87話 零治の過去 3月10日
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で縛られているシャイデを見下ろしながら言う。
「ディラク様、準備が整いました」
「よし、なら発進しろ」
先頭に居るパイロットにそう言って再びシャイデを見つめる。
「一体何のつもりなんですか!?ベヒモスの様な爆弾を持っていって………3月14日に何をするつもりなんですか?」
「………3月14日にベヒモスを管理局本局に落とし、全てを消し去る。そして我等『冥王教団』が混乱した世界を正しい方向へと修正する!」
「冥王教団って………」
「ああ、前に聖王教会と管理局に弾圧された宗教で、我等はその生き残りだ」
それを聞いて驚くシャイデ。
この男、ディラク・レオルスは管理局の中将であり、シャイデ・ミナートの叔父にあたる。
「何で………何でそんな人体実験をするような宗教に!!」
「マリアージュの様な屍兵器の開発の為だ。多少の犠牲は仕方がない」
「そんな事が許される訳が無いじゃない!!」
「だがそれが完成すれば不死身の兵士が造れる。死んでも再び蘇るような無限の兵士を!!」
「そんなもの造って何になるのよ!!」
「完成されれば魔導師の犠牲は無くなる!!テロリストなどの戦いで殉死するような魔導師も居なくなる!!お前の両親の様にな」
「!?それは………」
「実際に悲しい経験をしているお前なら分かるだろ!!その悲しみが無くなるんだぞ!?」
「だけど………だったら何で両親の仇のバルトマンを雇ってるのよ!!」
「全てを成就させるためだ!!多少の事は目を瞑る!!」
「多少の事!?」
大声でそう言ってシャイデは相手を睨む。
「さっきから多少の犠牲とか言ってるけど、それって結局バルトマンと変わらないじゃない!!自分達も研究の為に犠牲を出してるのに、それは目を瞑れですって?笑わせないで!!あなた逹も結局人殺しと何にも変わらないわ!!あなたはただ単に世界を思い通りにしたいだけでしょ!!」
「このアマ!!」
「あぐっ!?」
黙って聞いていた近くの男がシャイデを蹴り上げた。
それによって座っていた椅子からも滑り落ち、受身も取れず、床に倒れた。
「止めろ。まあ素直に話を素直に聞いてもらえるとは思っていない。しかしコイツはこれでも使い道がある。洗脳でも何でもすれば使い道もあるだろう。それでもダメだったら好きにするがいい………」
「叔父様………」
「こいつも所詮あの2人と同じって事だな………全く、親も親なら子も子って事か………」
「!?それって………」
「せっかく役に立つと思い、今まで育てて来たが、全ては無駄になったか………」
「ディラク!!」
倒れながら叫ぶが、ディラクはそのままコックピットに向かった。
「ううっ……
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