第87話 零治の過去 3月10日
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「そうそう、備えあれば懐厚しって言うだろ?」
「先輩、物凄くおしいのですが備えあれば憂いなしです」
「細かけえ事は気にするな!!」
大声で笑う先輩だけど使う本人からしてみればかなり不安なんだけど………
「そう言えば腐れ縁って人は?」
「ん?ああ、今は管理局で下っ端として働いてると思うぞ」
先輩、管理局に知り合い居たのか………?
「確かティーダ・ランスター二等空士だっけ?」
「ああ、来てたのかシャイデ」
「!?」
後ろから声が聞こえたので振り返ってみると金髪の女性、シャイデ・ミナートがいた。
先輩がひょうひょうと呼び捨てで呼んだけど、俺は結構焦ってたりする。
管理局とは直接関わりたく無いと思って本名も顔も隠していたのに、まさかのバレるなんて………
そう思って先輩を睨むと………
「そう睨むなって。それに俺達の直接のクライアントになるんだ、教えたっていいだろ?」
「ですけど!!」
「大丈夫よ、貴方が表にしたくないって言うのなら私は言わないわ、それは約束する」
真剣な顔でそう言うシャイデさん。
………まあもう知られてしまった以上、仕方がないか………
「分かりました、だけど約束は守ってくださいね、シャイデさん」
「シャイデで良いわよ、零治」
名前言ったっけ俺?
………まさか!!
「先輩、貴方バラしたでしょ?」
「ひゅーひゅー」
「口笛吹けてませんから………」
本当にこの人は………
新暦65年、11月………
「何でアンタたちがここに居るんだよ………」
「何でってこのプリント見たから」
「私はこっちに住んでいる友達に会いにと零治の小学校を観察しに」
明日は三者面談って時に、家に帰るとテーブルに座ってくつろいでる先輩とシャイデ。
先輩が俺に見せたプリントは以前、俺が捨てた筈のプリント用紙だった。
先輩は俺が独り身だってバレたときから俺の知らないうちに勝手に保護責任者になって、事実上俺の保護者に当たるのだが、何で捨てたはずのプリントが………
「まあ良いじゃない。零治がどんな態度で授業を聞いているのかも気になるし」
「シャイデは関係ないだろうが!!」
「良いじゃないの、何で私だけ………」
わざとらしい泣き前をするシャイデ。
「泣ーかせた、泣かせーた!」
「ガキか」
アホな先輩にツッコミつつ、俺は頭を抱えた………
で、結局保護者としてやって来た先輩は俺の学校生活と成績を聞いてからかう所が無かったのが残念だったのか、帰ってシャイデに絡み酒を飲んでボコボコにされたのを見て多少はすっきりしたから良かったけど………
新暦
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