第百三話 鬼若子その十六
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こちらの方が多く失いました」
「鉄砲も長槍も上手に使えさせられませんでした」
そうなってしまったというのだ。
「確かに戦には勝ちましたが」
「それでもです」
「そうじゃな。勝つことは勝った」
「しかしそれでも」
「倒させなかったというのですな」
「よい。ではじゃ」
そのことを見届けての言葉だった。
「長曾我部に使者を送れ」
「そしてですか」
「そのうえで」
「あの者を誘う」
家自体をというのだ。
「そしてそのうえでじゃ」
「織田家に迎え入れますか」
「あの長曾我部を」
「死なすには惜しいしのう」
そこまでの者だとも言う。元親が。
「だからこそじゃ。文を送るとしよう」
こう言って実際に文を送ることにした信長だった。戦は終わったがそれで全て終わりではなかった。戦が第一幕ならば第二幕が幕を開けようとしていた。
第百三話 完
2012・8・15
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