第82話 文化祭(フェイト)
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「あっ」
答えを聞かずフェイトの隣に座る零治。
座ったと同時に大きく息を吐いた。
「何だか疲れてる?」
「ああ、さっきなのはと共に迷子の相手をしてたからな………ったく、やんちゃなガキンチョだったから結構大変だったよ………」
笑いながらそんな愚痴を言う零治。しかしフェイトから見てとても楽しそうに見えた。
「………けれど楽しかったんでしょ?なのはと一緒にいて」
「?何でそんなに口を尖らせてんだ?」
「別に尖らせてなんか………」
「そうか?」
そう言って零治は自分の買ってきたコーヒーに口を付ける。
そんな零治を見て、
(やっぱり朝よりスッキリしてる、アリサと何があったんだろう………)
更に気になってしまったのだった。
「ねえ朝なんでアリサと出ていったの?」
「ん?朝?」
「何だか零治思いつめた様な顔してたじゃない………」
「俺してたか?」
「うん」
そう言うと零治は両手でコーヒーの缶を持ち、両肘を太ももに乗せ、前かがみになった。
「まあ色々とな………」
「色々………」
そんな曖昧な答えにフェイトの顔が険しくなる。
「き、昨日の事と関係あるの………?」
「昨日?」
「零治、文化祭が終わってアリサを探しに行ったじゃない?」
「行ったけど………フェイトあの場にいたっけ?」
(あっ!?そう言えば私トイレ行ってた!!)
「か、帰ってきてすずかに聞いたの!!」
少し焦った様子で力強く言うフェイト。
「そうか………」
「だ、だから別に後をつけた訳じゃ………あっ」
「後を付けた………?」
焦った拍子に更に口を滑らせてしまうフェイト。
「さて、詳しく教えてもらおうか………?」
もはや逃げられなかった………
「あ、あのね、私がトイレから出ていった時に、ちょうど慌てて走る零治を見かけて………何かあったのかと思って後を追ってみたんだけど………零治怖いよ………」
睨みながらフェイトの弁解を聞く零治。
そんな零治にビクビクしながら答えたのだった。
「………」
「えっと………嘘は言ってないよ………」
しかし零治は以前黙ったまま何も言わない。
そして静かに手をフェイトの所へもっていき、
「いひゃいいひゃい………」
鼻を思いっきり摘んだのだった。
「全く………管理局の執務官は覗きも仕事なのか?」
「ち、違うけど………」
「まあ俺を心配してくれたんだからこれくらいで許してやるよ」
「えっ!?」
「元々そこまで気にする事じゃ無いしな。あれはアリサのお礼だってよ」
「えっ!?」
「よくあるじゃん、海外の人だとお礼や
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ