第82話 文化祭(フェイト)
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…分かんない」
そんななのはの問いにフェイトは分からないと答えた。
今日だけでも星達の考えや、零治とアリサの関係も見たはずなのだが未だに答えが出ないでいた。
「分からない?」
「うん、友達と好きなのは確かだけど、それが友達としてなのか、1人の男の子として好きなのか分からないんだ」
「友達か1人の男の子として………か」
「うん」
そこで暫く二人は無言となる。
「………私は男の子で好きな人は沢山いるよ。ユーノ君にクロノ君に桐谷君に零治君」
零治君と言った時にフェイトはビクっと反応してしまった。
「あれ?もしかしてフェイトちゃん………」
「交代だよ2人共」
そんな時にちょうどすずかが受付にやって来た。
「あっ、すずか!!ごめん、それじゃあ後よろしく!!」
「あっ、フェイトちゃん!!」
なのはを無視して、フェイトはさっさと何処かへ行ってしまった………
「喧嘩?」
「ううん、そんなんじゃないの………」
残された2人は何とも言えない雰囲気になってしまった………
「はぁはぁ………」
走り去ったフェイトはその足で外に出ていた。
暫く走り回っていたのだが、疲れてきたので近くに人の座ってないベンチを見つけ、そこに座って息を整える事にした。
「何で逃げちゃったんだろうな………」
あの時、逃げずに否定してればいいはずだった。
なのにフェイトはそれをせず、追求から逃げるようにその場を後にした。
これじゃあまるで………
(私は零治の事を1人の男の子として好きなのかな………?)
ベンチにもたれ掛かって空を見ながらフェイトは思った。
しかしそんな実感は自分には無く、余計に混乱してしまう。
「はぁ………何だか辛いな………」
そう言って溜息をつく。
「何だか疲れてるな?」
そんなフェイトに声をかけたのは真っ赤なドレスを着た零治だった。
「有栖川レイカ、ただいま見参よ!!」
一回転してサムズアップした零治。
一旦空気が固まるが………
「ぷっ、何よ有栖川レイカって………」
フェイトに笑みが溢れた。
「良かった、笑ったな」
「あっ………」
「学校を見回りしてたらフェイトが暗い顔してベンチでぼーっとしてたからな、気になって来てみたんだが………何があったのか?」
「ううん!!何も無いよ!!」
大きく手を振り、大げさに否定するフェイト。
そんなフェイトに零治は苦笑いした。
「分かったから少し落ち着け。それとほれ………」
フェイトに向かってオレンジジュースの缶を渡す。
「あ、ありがと」
「隣座るぞ」
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