第81話 文化祭(神崎)
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ってしまう。
ここで行かせてしまっていいのか俺!?
「ま、待った!!」
俺は無意識に加奈に声をかけていた。
「何よ?」
「あのさ………出来ればでいいんだ、出来ればで………」
「何の事?」
「泣いてた原因話してみないか………?何か………愚痴を言うような感じで………」
言い切った後、少し後悔。
やっぱり聞くことじゃ無かったかな………
やばい、また怒られそう………
「………じゃあ私が質問するから答えて」
「へっ!?」
予想外の反応を得られて、俺は情けない声を上げてしまった………
「ある所に、一人の少女がいました。少女には年の近い1人の兄がいて小さいときからからずっと一緒でした。しかし成長するに連れて、少女は素直になれなくなり、いつも妹に世話を焼いてくれる兄に対して酷いことを言うようになりました。ある日、兄が交通事故で亡くなりました。そして兄が居なくなった妹は後悔します。いつも私の事を気にしていてくれたのに私はお礼の一つも言ってない。妹にとって誰よりも大事な人だったのに酷いことばかり言ってきた。そんな後悔が後に残りました。そしてその少女も運悪く、事故に遭ってしまい死んでしまいます」
「ちょ、ちょっと待って………」
いきなり淡々と語られ、ビックリした。
しかも何やらヘビーな話だ………
「何よ、聞いていないの?」
「いや、聞いていたけど、いきなり話始めて淡々と喋るから………しかも何か重い話みたいだし………」
「もう少しで終わるからちゃんと聞いてなさい」
そう言って続きを話そうとする加奈。
相変わらずマイペースだな………
「だけど神様は私を見放さなかった。神様は少女を兄が転生した世界に転生させてくれました。そして少女は無事、兄と再会することが出来ました。少女は転生する時に誓いました。神様に兄との血の繋がりを無くしてもらい、今度は私が兄を幸せにする。少女はそう思ってました。ですが既に兄には1人の女性がいました。その女性と一緒にいる兄は幸せそうで、私の居場所なんてありませんでした。さて、ここからが質問だけど、アンタが少女だとして、この後アンタはどうする?」
長々と話した上にとても難しい質問を………
しかし転生とは………
まるで俺と同じ境遇みたいだな。
「………俺は気持ちを伝える。要するにこの少女は兄の事が好きだったんだろ?だから素直になれず自分の気持ちを伝えられなかった。転生してチャンスを貰ったんだからどうであれ、自分の気持ちを素直に言うべきだと思う。このまま待ってても結局その女性とくっつくかもしれないんだ。だったら正直に自分の気持ちを伝えるべきだ」
「でもそれじゃあ断られたらどうするのよ。それが原因で更に
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