第十話 信行の異変その一
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「必要とあらばこの城もまた」
「一気に」
「左様か」
ここに至ってはだ。信清も決断を下すしかなかった。
そしてだ。家臣達にこう告げるのであった。
「よいか」
「はっ」
「下る」
彼は言った。
「よいな、そしてだ」
「殿は、ですか」
「そうされると」
「これが務めだ」
覚悟を決めた言葉であった。
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