第一話 うつけ生まれるその十二
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「それはもう」
「鋭いのう。どうやらわしに一番似たようじゃな」
また娘を見ての言葉だった。
「末の子で娘じゃというのに」
「ですが父上の娘でございます」
「言いよる。しかしそれでいいのじゃ」
いいと言ってであった。そうしてであった。
「それでな。では尾張に行け」
「はい」
「そしてその刀を持つのじゃ」
「畏まりました」
「この歳になって面白いものを見られる」
さらに笑っていた。面白げに。
「どうやらな」
「それでは。その時に」
「天下が動くか」
道三はまたふと言った。
「もしや、な」
蒼天は今は穏やかだった。だがそれが何時までも続くものではないのは誰もが知っているものだった。そしてその変わる時が来ようとしていた。
第一話 完
2010・6・19
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