ALO編
八十話 それから、これから(完全版)
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鐘が鳴る。
SAO第一層の始まりの街の鐘の音に似たこの音は、誰が設定したのか知らないが、分かっててやっているのなら中々どうして面白いセンスを持った人物だろう。
「はい、それじゃこの問題はちょっと変えて来週の小テストに出すからね。ちゃんとやっときなさいよ〜!」
「そのまま出しても良いんだぜ先生〜」
「はいはい」
前の方の席の生徒が物理の教員とそんな会話をしているのを聞きながら、涼人はリュックサックに端末とワイヤレスマウスをぶち込み、背中に背負う。
と、不意に、後ろから声がかかった。
「りょう」
「ん、おう。行くか」
美幸だった。最近ようやく自力で歩けるようになった彼女は、それでもまだ大分細い腕を体の前に組むようにスクールバックを下げ、微笑んでいる。
首だけで振り向いた涼人は直ぐに、目的地に向かって歩き出した。教室を出たところで、スクールバックを持ったサチの動きがとてとてとせわしない事に気づく。
「ったく。ほれ、カバンよこせ」
「え?で、でも……」
「遅く歩かれる方が迷惑だっつーの」
「あっ……あ、ありがとう……」
両手がフリーになり、少し手持無沙汰になった美幸は、少し楽になった様子で微笑みながら先程より軽い足取りで歩く。
「キリト達来てるかな?」
「まぁ、教室自体は下級生《あいつら》の方が近いはずだしな、今頃二人でよろしくやってんだろ。あ、それとキリトじゃねぇぞ。和人だからな」
「あ、そっか。マナー違反だよね……ごめん」
「っま、一部の連中はばれてるっぽいがなぁ。あの夫婦は特に……」
しみじみと言う涼人を、美幸が横から覗き込む。
「あっちでも有名人だったんだもんね。りょうも?」
「ま、一部にはな……」
と、そんなことを言っている内に、目的地である中庭のベンチが見えてきた。
既に一組の少年少女がそこで食事を開始している。
「よーっす御二人さん。相変わらず仲良さそうで何より。一個くれ」
「あ、兄貴」
「立て続けにお願い過ぎて何か色々言いたいんだけど、ホントリョウってご飯とかだと遅刻しないよね。攻略会議なんかじゃしょっちゅう遅刻してたのに」
言いながら、対面するように前のベンチに座った涼人をジト目でにらむ明日奈。美幸は涼人の横にちょこんと座り、和人達と同じように涼人との間にサンドウィッチの入ったバケットを広げる。
「はい。りょうはこっちね」
「おろ、サンキュ。なんかこっち戻って来てからも作ってもらいっぱだな。わりい」
「そ、そんなこと無いよ!」
慌てたように首をぶんぶん振る美幸に涼人はそこまで否定戦でもと多少引き、和人と明日奈は何故か溜息をもらす。
「で?俺そんなにだらしないか?」
「んー、そりゃこっち来てからはあんまりだけど……」
「でも、りょう」
「
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