ALO編
八十話 それから、これから(完全版)
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形のそれ自体が大きく発光した。
それ全体が黄色のまばゆい光を放ち、その全体像が明らかになる。
どうやら、何層もの鉄の居たが重なったような構造になっているらしかった。底面からは三本の巨大な柱が飛び出し、その先端も眩いばかりに発光している。
最早それはリーファの視界の一部を完全に支配しており、距離感が良くつかめない。あれが船であるのか建物であるのか、それすらも──
しかしその鉄の層と層の間に、いくつもの建物が見えた。その瞬間、リーファはあれが何であるのかを理解した。
「あ、あれ……まさかあれ……!!」
慌てて二人の兄に振り向くと、彼等は興奮を抑えきれぬといった表情で大きく頷く。
「そう言う事だ、一層高さ百メートル、全百層、全高……十キロメートル以上」
「あれが……浮遊城アインクラッドだよ」
「──!で、でもあれが……なんで此処に……」
リーファはこれまでに感じた事のない圧倒的な高揚と興奮の中に、戸惑いを覚えていた。
そして彼らがその問いの答えとして返す言葉は、データやプログラムのプロセス云々の話では無く、一人の剣士としての、一人の戦士としての答えである事は、誰が言うでもなく分かっている事だった。
「決着を付けるんだ」
キリトが言った。
「俺らのあれの征服は、実を言うとまだ四分の三まででな──それじゃ面白くねぇだろ?」
「だから、今度こそ全部……完璧にクリアする──だからさ、リーファ」
キリトはポンっと、リーファの頭に手を置いた。
「おれ、弱っちくなっちゃったからさ──手伝ってくれよな」
「……あ……」
──翅をはばたかせなきゃ空なんか飛べるわけがない
──行こうとするかどうかだよ
彼女の頬を先程とは違う涙が伝う。今流す涙は、とても気持ちが良かった。
「──うん……行くよ。何処までだって、一緒に行く……!」
リョウが、ニヤリと笑った。
「うっし!」
「うおっ!?」
「わっ!?」
キリトとリーファそれぞれの首に腕を掛け、三人で顔を突き合わせる。
「そうと決まりゃ話は早えぇ!一気に一層のボスまで行っちまうか!?」
「いやいやいや、今夜中にとかそれはムリゲだろ」
「そうだよ。情報も何も分かんないのに」
「んだよ、乗り悪ぃなぁ」
不服そうなリョウを見て、キリトとリーファはすぐ近くに顔を見合わせながら吹き出す。
それはとても、朗らかな笑い声だった。
────
そうしてリョウが拘束を解き、三人が並んで浮遊城を見上げていた時、下から野太い男の声が聞こえた。
「おーい、遅せぇぞ三人とも!」
「おーう、悪ぃ」
上昇してきたのはクラインだった。
サラマンダーの赤毛(SAOからずっとだが)と、腰に恐ろしく長い刀を下げている。
ノームとなったエギルは背中に大
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