ALO編
八十話 それから、これから(完全版)
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付けているのかと、その後リョウにからかわれたのはお決まりである。
ちなみにリョウはと言うと、ステータスもそのままコンバートした、ただし、容姿はALOで手に入れたものだ。
そこは色々とコネを使ったのだが、詳しくは秘密である。
「あれ……」
「ん……ス……リーファ?」
「だよな」
「え?リーファちゃん?」
「あ、ホントだ……」
リョウ達が見ているのは、天空に向かって駆けあがっていく一人の少女の姿だった。まるで月へ向かうがごとく、一心に虚空を駆け上がる。レクトの運営していたALOを引き取り、運営が再開された新生ALOでは飛行制限時間はこの世界から完全に消えたため、何処までも何処までもその影は駆け上がっていく……
とは言え、もうすぐ二次会の約束の時間である。何をしているのかは分からないが……
「しゃあねぇ。迎えに行くか」
「俺も行くよ」
「あ、じゃあ……」
「お前らは先に言ってろ。すぐ行く」
「うん。いこ、アスナ」
「え?う、うん……」
付いていこうとするアスナの言葉を遮ったリョウを見て何かを察したらしいサチが、アスナを連れてアルンの方へと飛んでいく。
「行くか」
「あぁ」
リョウとキリトは雲海へと突入した翡翠の光を追って、互いの翅を震わせた。
────
リーファは堕ちていた。天にある月を目指し上昇を続けてきたが、飛行制限区域のせいで途中で翅が止まり、体が落下を始めてしまったのだ。
本来ならば翅を広げてグライドするべきなのだがしかし……
月に手が届きそう。とは良く言ったものだと思う。
リーファの前には今、大きな丸い月があった。そこには手を伸ばしても届く事は無く、今の彼女は唯それに向かって手を伸ばしながら落ちるだけ。
しかし、それもあくまで“今は”の話となりつつあるのもまた事実だ。
ザ・シード系統のゲ―ムは現在ゲーム間での連結帯《ネクサス》を作る事がブームのようになっているのだが、ALOもより大きなネクサスに参加する計画があるらしい。
手始めに、月面を舞台にしたゲームと連結するそうだから、もしかしたらこの翅で月まで飛んでいけるようになるのもそう遠い未来ではないのかもしれない。
今や月も、行けない場所では無いのだ……しかし、そうあってすら、行けない場所もまた、存在する。
浮遊城アインクラッド。
その城の記憶が、今もなおキリトやアスナ、リョウ達元SAOプレイヤー達の間では光輝き、強い絆となっているのを直葉は今日改めて感じた。
どれだけの時間を重ねても、あの空に浮かぶ城で共に泣き、笑い、恋をした彼等の絆の中に、自分は入れない。
あの人達と同じ場所に、自分は立てない。
それをリーファは今日のパーティで強く感じてしまった。あの場所に立つ為にはどうしても、“あの城”の記憶が必
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