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SAO─戦士達の物語
ALO編
八十話 それから、これから(完全版)
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コツンと互いの拳を彼らが小さくぶつけると、再び割れんばかりの拍手と歓声が起こったのだった。

――――

「ふぅ……」
「ははっお疲れさん。キリト」
「あぁ……」
疲れ切った様子のキリトに、リョウが笑いながら声を掛ける。

リョウの横には、クラインや元ギルド、アインクラッド解放軍リーダーであるシンカー等が居るちなみにシンカー等は先日、副官だったユリエールと入籍したそうだ。
クラインは酒を飲んでいるが……

「良いのかよ、この後会社戻んだろ?」
「てやんでえ、残業なんざ飲まずにやってられっかぁ。にしても――いいねぇ」
「あぁ?あー。言えてるな」
「オイオイ……」
鼻の下を伸ばしまくりなクラインを見て一瞬訝しげな表情を見せたリョウはしかし、すぐにニヤリと笑って同意する。
キリトも呆れ気味ながら否定はしない。
何故なら視線の先。既にカオスと化している宴の中には、アスナを始め、サチ、リズ、シリカ、サーシャ、ユリエール、スグと、女性プレイヤー陣が揃い踏みなのだ。
と、兄弟は直葉の方に目が行っているクラインを視界の端に捉える。

「クライン」
「家の妹に手、だしたら」

「割るぞ」
「斬るぞ」

「わ、わぁってらぁ」
何気なくシスコンな部分もあったりするこのふたりである。

『女っていやぁ……』
ALOで出会ったあの特徴的な槍使いの少女、ホムラ。彼女も一応今回のオフ会に誘ったのだが……

――――


『えーと、その日は忙しいので……無理だと思います。すみません……』

――――

『忙しい、ね』
一番差し障りの無い断り方だが……まぁ一々気にするのも面倒だし、どうでも良いだろう。

「所でエギル、例の“種”はどうだ?」
「あぁ、すげえもんさ」


“種”と言うのは勿論、萱場が自分達に預けた“世界の種”と呼ばれたプログラムの事だ。

《ザ・シード》と名付けられたこのプログラムの中身は、詳細は省くが簡単に言うと、《カーディナル・システム》を少しコンパクトにしたものと、ゲーム制作用補助プログラムの複合プログラムだった。
これを、エギルを通じてネットで無料ダウンロード出来るようにした結果、簡単な条件さえ満たせば世界中の企業から個人までが誰でも容易く仮想世界を制作出来るようになったのだ。
結果は、今のエギルの報告の通りである。これをきっかけに、ALO事件によって衰退しかけていたVRゲーム界も完全に息を吹き返し、今ではザ・シード系統のゲームを相互接続するシステムが開発され始めていたり、VRワールドの現実置換面積が日本の面積を越えようとしているらしい。

「大したもんだな」しみじみとした様子でつぶやいたリョウ
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