ALO編
八十話 それから、これから(完全版)
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た”須郷の研究に関するデータを全面提供したのだ。
情報自体は警察にとっても“信頼出来る筋”のとある公務員を通じて提供されたため信憑性は高かったし、後にプロテクトの解除された須郷達のデータファイル(“何故”か消去の操作が効かなくなっていたらしい)とも一致したことから、十分な証拠となった。
また、それで終わりでは無かった。その“善意の協力者”は、須郷の悪事に結びつく他のあらゆる証拠も同時に提供したからだ。
須郷はレクトの資金を不正に流用していたり、株式を不正に売買。研究に関して他の違法行為や、脱税まで、大小15以上の犯罪に手を染めていた。それら全てが洗いざらい情報提供され、その計画性等も認められた結果、須郷伸之は実質社会的に死亡したのである。
ちなみにこの“善意の協力者”が何処の誰であったのかは、読者諸君の想像に任せるとしよう。
須郷の事を言うならば、同時に、萱場彰彦のことについてもふれるべきだろう。
萱場はやはり、去年の11月のSAO崩壊と共に、自らの命を絶っていたらしい。但し、フルダイブシステムを応用したマシンを使い、自身の大脳に超高出力スキャニングをかけ、脳を焼き切って死んだのだ。
それをSAOにおいて長時間のダイブを行っていた萱場の介助をしていたと言う神代凜子と言う女性……(まぁもろ知り合いだったのだが)から聞いた時、涼人は呆れる一方で、成程とも思った。
なぜならその試みが仮に成功した場合、萱場は自身の大脳内の電気信号を全てデジタルコードに変換され、萱場の記憶や思考をコピーした本物の電脳になることが出来るはずだからだ。
それこそ、完璧なAIとも言うべきか。
ちなみにこれは相当無茶で、スキャニングを受けた萱場は有り得ないような激痛をナーヴギアで殺される一瞬よりも遥かに長い時間味わったはずだ。
しかも成功率は極低く、神代いわく0,1%以下だったらしいが、ALOでのあの現象を見る限り成功したらしい。馬鹿であるくせに(いやまぁ頭は良いのだが)運良すぎると思う。
「ん……」
そんな事を考えながらふと涼人が上の方をみると、和人の肩に明日奈が頭を乗せ、のんびりしているカップル(最近涼人達の前だとあまり自重しなくなってきた)にカフェテリアからジトッとした視線を注いでいる女と、楽しそうに笑っている女子生徒が見えた。
「あ」
美幸も気付いたらしく、小さく声を上げる。
「お二人さんよ、綾野と篠崎がみてんぞ」
「ウェ!?」
「り、リズ!?」
上からみていたのは、綾野珪子と篠崎里香。それぞれSAOで言う、シリカとリズベットだった。
気付いてからあたふたする二人に苦笑しつつ、美幸は笑顔で珪子に手を振り、反応した珪子がニコニコしながらスプーンくわえてブンブンと手を振っている。
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