第82話 三国一の花嫁達 後編
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兄様・・・・・・、まさか、民の為に新たな漢を起こす気なのですか? 光武帝は王莽という逆賊を打ち倒すという大義名分があったからできたのじゃ。今、兄様がそのような真似をしても逆賊になるのじゃ」
美羽は動揺を感じている表情で私を見ていました。
「今直ぐことを起こす気は毛頭ない。これから5年後、反董卓連合が結成され、洛陽は火の海になる。そのとき、劉弁が毒殺されて即位した劉協は洛陽を逃げ出す。そこで、後漢は滅びる。私は劉協をもり立てる気など毛頭ない。劉表、劉焉も同様だろう。劉協に皇帝の権威があれば諸候が洛陽に兵馬を引き連れるような蛮行を行うなずがない。劉協は所詮道化でしかない。良くて、諸候に祭り上げられ、御輿になった挙げ句、最終的には禅譲を迫られるだけだ」
私は美羽にこれから起こる未来の話をしました。
「あ、兄様、何故そのようなことを知っているのじゃ? もしや!」
美羽は動揺しつつも私に口を開きました。
「美羽、お前の考えているようなことは絶対にないぞ。私はこの先の未来を知っているだけだ」
「未来を知っている・・・・・・。 兄様、妾をからかっておるのか?」
美羽は怒った表情で言いました。
「嘘などついていない。何故、私が美羽が南陽に下るとき、榮奈をつけたと思う。全てはお前の悲惨な未来を回避するためだ」
私は美羽を哀しい表情で見ました。
「妾の未来とは何のことなのじゃ! 兄様は何を知っているのじゃ」
美羽は私に駆け寄ってきました。
私はその後、美羽に麗羽達にも話した内容を語りました。
「信じられないのじゃ! 妾が、妾が民を苦しめるなんて・・・・・・」
美羽は体を震わせながら言いました。
「私が美羽を洛陽の庶民の子供と交流を持たせ、貧民街にいる民の姿を見せる前ならどうだ?」
私は真剣な表情で美羽を言いました。
このことは反董卓連合前に話す必要がありました。
今の美羽では正義感が強過ぎて、董卓に合力しかねません。
そんなことになったら、私が美羽の為にしたことが水の泡になります。
「兄様・・・・・・、妾は悪人なのかえ?」
美羽は俯きながら言いました。
「美羽が無知なままなら、そうなっただろう。美羽、無知は罪だ。特に支配する側の者にとってはな。そして、もっとも罪なのは知りながら何もしない者だ。一般の民には支配者に抗う術はない。あったとしてもそれは命がけだ。だから、支配者は無知ではいけない。美羽が過ちを犯す前に私はお前を導いた」
私は美羽を抱きしめ優しく語りかけました。
「ひ、ひっく、兄様はだから新たな漢を起こすのかえ?」
美羽は涙で一杯の目で私を見て言いました。
「そうだ。腐りきった王朝は民を苦しめるだけの
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