ALO編
七十九話 彼女のヒーロー
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……と言うか自分は何故個室なのだ。
「まぁ、兄貴のことだしそろそろ……」
「そうだよ、リョウタフだし……」
そんな事を言いながら入って来たのは和人と……和人に押されて車椅子で入って来た明日奈だ。二人とも起きているリョウの顔を見るなり、ぽかんと口を開け、固まる。
「「…………」」
「よぉ。お二人さん相変わらずアツアツで何よりだな。つか、明日奈痩せたか?」
「いや、別にそんな事は……って言うか……」
「痩せたって言うよりやつれた感じ……って言うか……」
涼人に乗せられ、そんな見当違いな事を呟いた二人は直ぐに急速に意識を戻して……
「「リョウ(兄貴)起きたの(か)!?」
「おーおー……っとに仲のよろしい事で」
直ぐに、看護婦がやってきた。
――――
「んじゃ殆ど2日寝てたって事かよ」
「あぁ、倒れたのが一昨日の夜で、昨日はまる一日目を覚まさなくて、今が二時半頃だから……」
「マジかよ……」
「昨日なんか直葉ちゃんも来たりして、みんな心配してたんだよ?」
涼人は頭を抱える。後で直葉や翠にどう言ったものか……
「で……兄貴」
「ん……何かな、キリト君」
そんな事を考えていると、和人からいささか真面目な声が飛んでくる。見ると、和人はジトーッとした目で此方を睨んでいた。真似のつもりなのか、明日奈も同じような目をこっちに向けている。
「ヒースクリフみたいな言い方しても駄目だ。先生から聞いたぞ兄貴、倒れた原因……極度の疲労と睡眠不足だって」
「あ、あー、それか……」
ごまかすように涼人は視線を和人から逸らす。が、その先には明日奈がおり、左右を夫婦に封じられ逃げ場が無い……
「どういう事か説明してくれるよな兄貴……?」
「リョウ……?」
「ん、あ、あぁ。勿論だ」
と言うか、拒否出来る雰囲気では無かった。
――――
「「四日間徹夜ァ!?」」
「あ、あぁ……」
いきなりの叫びに若干驚きつつ、涼人は言葉を続けた。
「お前とこの病院に来る前の日からな。原因も何もわかんねえが、取り敢えずネット関係だと思ってな。ご無沙汰だった“あれ”の勘取り戻そうと思って、姉貴からツール送って貰って、本とか読みながら攫ってるウチに朝になっちまってな……一時間ちっとは寝たんだが、直ぐにアラーム鳴っちまって、その日殆ど徹夜だったな」
“あれ”と言うのは須郷のコンピューター相手に行った電子的潜入……有り体に言うところのハッキングやクラッキングで、悪戯じみたその感覚が好きだった涼人は、それには11歳位の頃から手を出していた。
流石にSAOから戻ったばかりで感覚が鈍ってしまっていた為、本棚の奥にあった専門書なんかを引っ張り出し、わざわざ病
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