第九十八話 満足の裏でその三
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明智はその顔をさらに曇らせて述べる。
「織田殿、家臣の方々もですが」
「足軽の者に至るまで、ですな」
「それどころか領民の誰もです」
まさにだ。一人としてだというのだ。
「信長公の家臣であり兵であり領民と思っていますが」
「公方様には」
「誰一人として思ってはおりません」
そうした意味で尾張等十六の国々は信長の国なのだ。織田家の領地であり足利将軍家のものではない。これは殆どの者が思っていることだ。
しかし義昭は違う。それが問題だった。
「公方様はそれどころか」
「織田家だけでなくですな」
「天下の全ての国がです」
そして全ての大名がだというのだ。
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