暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
ALO編
七十四話 全力全壊
[1/9]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「ったくよぉ……後始末も何も考えずに剣投げんなよな……」
「「ごめんなさい……」」
 リョウが腕を組み、ぶつぶつと言う前で、リーファとキリトはしゅんとして頭を垂れていた。周りからのクスクスと笑う視線が痛い。

「まぁ思いっきりやれっつったの俺だし良いけどよ……次からもうちょい先のこと考えろよ」
「「はい……」」
 肩を落としたままの二人に、リョウは続ける。

「ったくレコンにまで手伝わせやがって……」
「……え」
「り、リョウさん!しー!」
「あ……」
 時、既に遅し。既にリーファは拳をプルプルと震わせている。

「……レコン?」
「はいっ」
 そうして低い声で呟くと背筋を伸ばしたレコンの首根っこをひっ掴み……

「ちょっとこっち来なさい……」
「え、ちょと、リーファちゃん?り、リョウさん!」
「っと……ままま、リーファ落ち着け。な?」
 連れて行こう……として、危うくドナドナの再現になりかけたレコンをなんとかリョウが引き留めた。

――――

「さて……ユイ、いるか?」
 キリトが呼ぶと、空間にポンッと言う音を立てて、おなじみのピクシーがすがたを表す。

「もー、遅いです!パパに呼ばれないとナビピクシーは出て来れないんですからね!」
「わ、悪い悪い」
 謝りつつ差し出したキリトの左手にちょこん。と座るユイ。其処に、突然レコンが鼻息荒く割り込んだ。

「う、うおお!こ、これプライベートピクシーって奴ですか!?初めて見た……て言うかちっさい!スゲエ、かわいいなぁ!」
 顔を凄まじい勢いで近づけ、早口に言い切ったレコンを見て、ユイは若干引いている。

「な、何ですかこの人は!?」
「こーら、恐がってるでしょ」
「あ痛っ!痛いよリーファちゃん!痛い!」
 即座にリーファ耳を引っ張られ数歩下がる。リーファに「こいつは気にしないで良いよ」と言われて、キリトはようやく我を取り戻したようだった。ちなみにリョウはと言うと、一人腹を抱えて爆笑している。
何ともシュールな光景であった。

――――

「で、あの戦闘で何か分かったか?」
「はい」
 あの戦闘。と言うのは勿論、先程の対守護騎士戦である。
ユイによると、まあ大方の予想通り、一体一体はそれ程の強さで無い物の、ゲートへの距離に比例して増える湧出(ポップ)数が、異常だと言うことだった。
最接近時には、秒間十二体と言う、無茶苦茶な数値だったらしい。それらを踏まえた上でのユイの結論は……

「要は集団によって出来た撃破不能難易度の巨大ボス……って訳か。ユイ坊」
「はい……」
 ユイがしょんぼりと俯く。キリトが言った。

「大方、ユーザーの挑戦心煽るだけ煽って、ギリギリまでフラグ解除を引っ張るつもりなんだろうな……」
「だ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ