ALO編
七十四話 全力全壊
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の為に。
『レコン……』
先程の随意飛行で彼が見せていた、必死な顔を思い出す。
「ありがとう……」
「あぁ……」
隣で同じように呟いたキリトと共に、リーファは上を向く。一人の少年が、自分達の為に大きなものを犠牲にして突破口を開いてくれた。最早引く事は出来ない。シルフの精鋭たちも、彼らがコアゲーマーたればこそ、かの少年の行動に敬意を感じて居たし、同種族としてある意味では誇りすら覚えていた。ケットシーの戦士達もまた同様に、一種の尊敬のような感情を抱く。
凄まじい数を倒されつつもなお、守護騎士達はまたも無数に生み出されようとしている。しかし……
「ファイアブレス──」
「フェンリルストーム──」
妖精たちはそれを許すつもりはない。
「「撃ェェッ!!」」
間髪いれずに、ドラグーン隊のブレスと、シルフ隊のエクストラアタックと呼ばれる最上位魔法が一斉に放たれ、生み出されたばかりの守護騎士達に殺到する。着弾し、炎が彼らを焼き、深緑色の光が白い巨体を貫くのを確認した……瞬間……
「オオッ!!!」
「フッ!」
軍団の中からひときわ早く、二つの影が天頂に向かって凄まじいスピードで飛び上がった。
言うまでも無い。キリトと、リーファである。二人の眼には、ある種の決意が宿っていた。
また、出来た隙を他の軍団が逃すはずも無く、サクヤの号令が響く
「続、けぇぇ!!!」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
凄まじい声量の鬨の声が、一斉にホール内に響いた。
それに後押しされて、二人は一気に天頂へと駆けあがっていく、行く先でまたしても守護騎士達が生み出されつつあるが、突破して見せる!
──そしてそんな背中を、もうひと押しする力が響く──
それに二人が気づいたのは、接敵する直前だ。
部屋の中に、笛の音が響いていた。それを聞いて、リーファは先度の見たリョウの姿を思い出す。まさか……まさか……
しかしそれはあり得ないはずの事だ。何故ならば守護騎士は少なくとも一匹もいなくなると言う事はなかったし、そうである限り演奏妨害は止むはずがない。
そしてそれの中でいま彼が演奏している曲を演奏しきると言うのは、某太鼓ゲームの中の上以上の難易度の曲で、基本難易度最高のモードにしてしかも演奏中に時折表れる少しだけ普段と違う色の偽音符一度も叩くことなく演奏するのと……あるいは某電子の歌姫の音ゲーで、高難易度の曲をやはり偽音符(記号?)を避けてボタンを押しきるのと同じくらい難しいはずなのだ。
だからあり得ない。けれど思えばこれまでたとえどんなものでもゲームにおいて彼が
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