暁 〜小説投稿サイト〜
SAO─戦士達の物語
ALO編
七十四話 全力全壊
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のだ。成功したらめっけもの。である。

 レコンの方へと視線を戻す。と、瞬間、リーファは少なからず驚いた。リョウの方を向いていたのは本当に一瞬だったのにレコンは既に、守護騎士に完全に肉薄する位置まで到達していたのだ。垂直急上昇(ズーム)の飛行スピードが、普段の彼と比べ明らかに速い。同時に、すでに助けられない高度まで上昇してしまっているが、あれは……

「随意飛行……?」
 小さくつぶやく。
これまでは、彼は一度もリーファの前で随意飛行している姿を見せた事はなかった。早いとか、怖いとか言って嫌がっていたのだが……

『ちゃんと、練習して……』
 おそらくは、上昇のみに行動を絞る事で、なんとか維持している飛行なのだろう。その顔に、必死さが見て取れる。しかして、単一の行動に絞って行われているその飛行は実際かなり速かった。だが……

『だからって、どうする気……!?』
 いくら速いスピードで突っ込んでいったからと言って、守護騎士達がボーリングのピンのようにすっ飛んで行く訳ではない。迎撃の為に振り上げられる大剣によって、叩き落とされるのが落ちだ。
そうこう思っている間に、案の定先頭の守護騎士が凶悪な光と共にその剣を振り上げ……

 突如その体が紫色の立体的な魔法陣に包まれた──

「えっ!?」
 レコンを中心に、空中に紫色の巨大な円形魔法陣がいくつも展開される。それは直に守護騎士達をも飲み込み、最早完全な円形だともとれるほどたくさんの魔法陣が展開された時、それが一気に中心にいるレコンに収縮され……

 ズガァン!!という落雷のような音と共に、大爆発を起こした。

「ッ!?」
「うお……!?」
 リーファが息をのみ、キリトも驚愕する。大爆発と共に上がった黒煙がはれると……レコンの周囲に展開していた守護騎士達は綺麗に消え失せ、守護騎士達は天街付近までラインの後退を余儀なくされていた。
 凄まじい威力だ。単一、あるいは貫通魔法ならばともかく、範囲攻撃魔法でこれほどの威力を誇る魔法は、風はおろか比較的威力の高い攻撃魔法を有する火属性の魔法にも存在しないはずだ。何時の間にこんな隠し技を習得していたのだろう。
心の中で快哉を叫びながら、リーファはレコンに声をかけようと彼の居た場所を見て……絶句した。
そこにはレコンの姿はなく、代わりに黄緑色のリメントライトが小さく瞬くだけだったからだ。

「自爆、魔法って事か……?」
「っ……!」
 キリトの言葉に、そう言えば、と、リーファは思い出す。闇系統の魔法に、たしかその手の魔法があると聞いた事がある。しかしあれは、発動、死亡すると同時に通常の数倍のデスペナルティを科されるいわば禁呪。すなわち、レコンは自分が努力した時間を犠牲にして魔法を使用したと言う事だ。ほかならぬ、リーファ達
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ