ALO編
七十四話 全力全壊
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君のから預かったユルドも含めて全部使い切っちゃったから、もうウチもシルフも金庫はすっからかんだヨ!!」
「これで全滅などすれば、両種族とも破産確定だ」
「そりゃやべぇな、なら撤退不可の一本勝負か。頼むぜぇ御二人さん!」
「応!」
「オッケーだヨ!」
三人の会話を見ながら一体いつの間に彼等はこんなにも仲良くなったのかと甚だ疑問なリーファだったが、先程聞いた話だと、リーファ達が見て居ないところで相当情報交換をしていたらしい。その過程でこの作戦を思いついたのだと言う。
そうこう言っている間に、大人数でキリトの援護を行っていたシルフ部隊が、キリトの撤退路を確保していた。確認したリョウとサクヤ、そしてルーが一斉に叫ぶ。
「前衛隊、後退!」
「キリト!第二フェイズだ、下がれ!」
「ドラグーン隊、ブレス攻撃用──意!!」
リーファ達を囲むようにホバリングしていたワイバーン達が、一斉に首をS字にもたげ、口の奥からオレンジ色の光を漏らす。同時に、キリトと前衛にいたシルフ達が一斉に下がる光栄に居たシルフ達が、その撤退を援護するようにスペルを放つ。が、焼け石に水と言わんばかりに、ほんの少しだけ追って来る守護騎士たちの勢いをとどめられない。
そのわずかな隙をついてキリト達が逃げたし、それを大量の守護騎士たちが追って来て……
「撃ェ!!」
ギリギリまで引きつけたところで、突如、巨大な爆発が守護騎士たちの中心に連続して起こった。ワイバーン達のファイアブレスが、一斉に発射されたのだ。
これによって、円錐状の形で突進して来ていた守護騎士たちの先端が、一気にへこんだ。まるで巨大なへこみのように、守護騎士達の陣形が凹む。
しかし、それも関係ないと言わんばかりに守護騎士達が再び突進を……
「行けぇ!レコンッ!!」
「はいっ!!」
「えっ!?」
を始める寸前に、一つの影が軍団から飛び出した。それは、いつの間にかリーファから離れた、レコンだった。
打ち合わせには無い行動に驚いたリーファとキリトはあわててリョウを見るが、すでに彼は次の行動に移っている。笛を取り出し、演奏を始めたのだ。それを、守護騎士の内何体かが不快な音を発し、遮ろうとする。
その瞬間、リーファは演奏による支援は諦めた。
演奏妨害(プレイ・ディスペル)
演奏をおこなう時にプレイヤーが使用する右から左へと流れる譜面の中に、ランダムで偽音符を割り込ませてくる能力で、これをされると大体のプレイヤーはミスやパニックを起こして演奏失敗してしまう。まして事前に言っていた……現在リョウが演奏しているのは実は演奏でも最大級の難易度を誇る曲の一つなので、おそらく失敗は確実だと、リーファは予測したのである。
こればっかりは、部の悪い賭けのようなも
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