ALO編
七十四話 全力全壊
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いた途端、下の方にいた守護騎士四体ほどが此方に向かってきた。それを……
「はいはい、ウチの妹デートに誘いたきゃそののっぺらぼう外してきな!」
リョウが叩き落とす。
「あ、じゃあ僕は……」
「お前は許可する!」
「リョウ兄ちゃん!訳の分かんない事言ってないで倒してよ!」
まったくもって姫を救うための決死隊が言っているとは思えないような台詞だが、リョウもすぐに仕事に戻り、リーファ達もキリトのHPの回復を再開する。そのキリトはと言うと……
「オオオッ!!」
「秒間十二、ね……」
凄まじい数の守護騎士たちに囲まれながらも、勇猛な戦いを続けていた。しかしやはり、彼個人で突破するのは無理がありそうだ。実際、かなり扉に肉薄してはいるものの、剣を振るって数匹の守護騎士を叩き潰してもそのへこみが直に他の個体によって修復されてしまう。
まったくもって、システムの悪意としか言いようがない。この世界の管理者は本当に性格が悪い。
「まぁ、だからこそ……」
その時だった。不意に、リョウ達が入って来てから開きっぱなしだった扉に大きな影が差した。間髪いれずに、巨大な音の津波が鬨の声を上げながら部屋の中へと突入する。それは、緑色の鎧に身を包んだシルフの大軍団だった。
「こんだけの連中に手伝ってもらうんだけどよ」
おそろいのフル装備は、その装飾の細かさから全てが伝説級のワンランク下。古代級武具だと知れる。まぁ勿論強力な装備である事には全く変わりないが。
目算でも70を軽く越える数の彼等は一気にリーファ、レコン、リョウの横を駆け抜け、一部は空中に待機。一部は既に守護騎士に囲まれつつあるキリトの援護へと向かう。どうやら段取りは問題なく伝わっているようだ。
その後ろから、更に数の少ない部隊が突入してきた。その数は十程度しかし一体一体が途方も無く巨大な影だった。兵士の者だろう鬨の声と共に、低い巨獣の雄叫びが聞こえる。
「す、スゲェ……」
「飛竜……」
「ヒュウ。久々に見たな」
それは、尾から頭の先までを灰色のうろこと金属製の鎧で包んだ飛竜の集団だった。
背には鞍にまたがった騎士たちが、しっかりと鎖のたずなを握っている。ケットシー族がテイム出来る最高ランクモンスターであるドラゴン部隊。通称、竜騎士隊。ケットシーの切り札であり、これまでその存在が頑なに秘匿されスクリーンショットすら公開されていなかった。この世界においては伝説とすらされる戦士たちである。
「遅かったな、サクヤ、ルー」
「これでもかなり急いだのだがな。しかし、遅刻は認めよう。すまん」
「ごめんネー。レプラコーンの鍛冶匠合を総動員して人数分の装備と竜鎧鍛えるのにさっきまでかかっちゃって。君の弟
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