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SAO─戦士達の物語
ALO編
七十四話 全力全壊
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る一つの提案だった。その提案に対してリョウは少しだけ目を見開くと、二、三質問をレコンへと返し、かれもそれに丁寧に答える。そうして説明が終わると、リョウは心底驚いた顔を浮かべていた。

「本当に、良いのか?」
「あはは……斥候(スカウト)の僕じゃ、これくらいでしか、役に立てそうにも無いですし……」
 苦笑しながら言う少年に、リョウは苦い顔を向ける。

「けどよ……」
「毎回なんですけど、リーファちゃんの足手まといは、ちょっと泣きそうになるんです。曲がりなりにも男として……」
「あー。はは……分かった。んじゃ頼むぜ?」
「あ……」
「ちょっとレコン!リョウ兄ちゃん!早くしてよ!」
 レコンがぱっと顔をほころばせたところで、リーファから声がかかった。
苦笑し、リーファ達の方へとゆっくりと歩き出すとともにレコンはリョウに言う。


「すみません。無理言って……」
「よく言う。デメリット負うのは殆どお前だけだろ?しかし、こうなるとお前も戦いのキーになってくらぁ。全力で援護するから、成功させろよ?」
「はいっ!」
 黄緑色の髪をもった少年は、珍しく、真剣な瞳でリョウを見据えて答えた。

────

「それじゃ、良いか?」
「うんっ」
「はいっ」
「何時でも良いぜ?」
 キリトの真剣な問いに答え、キリトが大扉を低い音と共に開く。そして……

「……行くぞ!!」
 一気に四人は、ドームの中へと飛び込んだ。
リョウの作戦の第一段階は、先ずなるべく初めに守護騎士をあぶり出しておく。と言う事だった。それを果たすため、先ずキリトが、天頂に向かって凄まじいスピードで突撃する。
リョウがその後ろ。埋め尽くされた白騎士たちと、キリトへの回復スキルを唱えているリーファ達の間に入った。
 実は先程レコンと別れた時、リョウは二つに用事を済ませていた。一つは、守護騎士の行動アルゴリズムを調査する事。もう一つは、支援演奏が可能かどうか。
先ず一つ目の結果は、これまでのモンスターと守護騎士たちの行動アルゴリズムには、若干の違いがあると言う事だった。
 これまでのモンスターは、自身の反応圏内に敵が侵入するか、弓やスペルで遠距離から攻撃されない限りはプレイヤーを襲う事は無かった。つまり、ヒールや支援演奏は特に問題なく可能だったのだ。
しかし守護騎士の場合、支援演奏やヒールであっても、その効力が発動した瞬間にそれを起こしたプレイヤーに向かって牙をむく。これは適当にそこら辺のプレイヤーに、守護騎士の湧出《ポップ》だけを起こして撤退してもらい、自分は騎士たちの反応圏外から演奏した結果分かった事だった。

 つまり、後方でキリトの突撃をサポートするリーファ達にも護衛が必要と言うわけだ。
案の定、リーファとレコンのヒールスペルがキリトに届
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