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とある星の力を使いし者
第17話
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は出来るがそれをするなら先にアウレオルスを倒した方が早いと麻生は考える。
麻生は早速、疲れた顔をしながら非常階段を上がっていく。
とりあえず最上階にいるだろうと適当に考え階段を上がっていく。
そして階段を上がっていくとふと目の前の廊下に黄金の水溜りが出来ていた。
麻生はそれに近づき右手を伸ばし指先がその水溜りに触れる。

(これは魔術で作られた黄金か・・・・そうなると・・・)

アウレオルスについて考えようとしたが後ろからヒュンと音がした直後、麻生の後ろでガン!!とぶつかる音がしてその思考を停止する。
振り返るとイタリア製の革靴を履いてそこから伸びる二メートルに届く細身の身体には、高価な純白のスーツに包まれていて髪は緑でオールバックのような髪型をしていた。
その名はアウレオルス。
麻生は何かが風を切る音がしたので即座に自分のまわりに空間の壁を作って防御したのだ。
アウレオルスの右手の袖口から黄金の鏃が出ていた。

「悄然。
 我が「瞬間錬金」(リメン=マグナ)を弾くとは・・・・ただの少年だと思ったが、貴様何者。」

「俺か?俺は・・・・」

麻生は聞かれた事を答えようとしたが止める。

「いや、答える意味がないな。」

「なに・・・」

「お前は偽物(・・)だ。
 そんな奴にいちいち話をしても意味がない。」

麻生は興味をなくしたのかそのまま振り返り階段を目指す。
その瞬間また何かがぶつかる音がした。
言うまでなく鏃と空間の壁がぶつかった音だ。

「厳然。
 貴様は生きて此処から出さん。
 此処で黄金となるがいい。」

殺意を込めた目でにらむが麻生は大きなため息を吐いてアウレオルスと向かい合う。

「素直に引けば自分が本物だという幻想を持てたのにな。
 まぁ、お前は人形だし人を殺した事にはならないだろ。」

「厳然。
 図に乗るな!!」

アウレオルスの両腕の袖口から十本もの鏃が、一斉に麻生に向かって飛んでくる。
麻生は欠伸をしながら飛んでくる鏃を見ている。
そしてアウレオルスの視界から麻生が消えた。

「なっ!?」

アウレオルスは周りを見る前に自分の右側面から強い衝撃が襲い壁に打ち付けられる。
眼を右方向に向けると麻生がアウレオルスの首を押えつけていた。
麻生は能力を使いアウレオルスの隣に空間移動したのだ。

「さて、お前に時間をかけている暇はない。
 悪いが一撃で終わらせる。」

そして、アウレオルスの首を絞めていない方の左手に拳を作る。
アウレオルスは抗おうとするが動くどころか、声を出す事も考える事すらできなくなる。
麻生はアウレオルスに触れているので人体に干渉して一切の行動を封じている。
アウレオルスの脇腹に麻生の拳がめり込み
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