第17話
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「専門家の僕が見ても怪しい所は見当たらない。
怪しい所なんて何も見当たらないのさ、専門家の僕がキチンと見ているのにね。」
上条はステイルは怪しい所はないと言っているが危険な所はないとは言っていない。
そんな危険な所に足を踏み入れて大丈夫なのか?、と心配する。
「大丈夫なはずがない。」
そんな上条の心情を分かっているかのようにステイルはあっさりと答えた。
「けれど、入るしかないだろう?
僕達の目的は救助であって殺しじゃない。
いやビルごと炎に包んで良いって言うなら僕だって大助かりだけどね。」
間違いなく、半分以上本気でステイルは言っていた。
「入るしかないってちょっと待て。
まさか正面からお邪魔すんのか?
もうちょっと策とはねーのか?
気づかれないように侵入する方法とか安全に敵を倒す方法とか!!」
「何だ、それなら君は何か得策に持ち合わせがあるのかい?」
「テメェは本当にこのまま突っ込む気か!?
ようはテロリストが立てこもっているビルに正面から突撃するようなもんだろ!!」
「ふむ、まぁ身体にナイフで「神隠し」でも刻んでやれば気配を断つ事ぐらいはできるけどね。」
「じゃあやれよ!!痛いのはヤダけど!!」
「最後まで聞くんだ。
たとえ気配を断とうが透明人間になるが「ステイル=マグヌスが魔術を使った」魔力だけはごまかしようはない。」
それを聞いて上条はは?、と訳が分かっていないようだ。
それを見たステイルはため息を吐いてめんどくさそうに説明する。
「あのビルの中にはアウレオルスの魔力が充満している。
赤い絵の具一色で塗られた絵画と例えよう。
その赤一色の絵画に青い色が塗られれば誰だって気づくだろう?」
「良く分からんが、つまりお前は歩く発信器デスか?」
「そんなもんだが、君よりマシだと思うけどね。」
何でだよ、上条は問いかけようとしたがステイルが先に答える。
「君の幻想殺しは赤絵の具をごっそり拭き取っていく魔法の消しゴムだよ?
自分の絵画がどんどん虫食いされていけば誰だって異常に気付くだろ?
僕の方は魔術さえ使わなければ異常は感知されないけど、君の場合は異常が常時ダダ洩れじゃないか。」
「じゃあ何か?
俺達は二人して腰から発信器ぶら下げている状態で、何の策も持たずにテロリスト満載のビルん中に正面からドアベル鳴らしてお邪魔するってのか?」
「そのために君がいる。
できればあの麻生恭介も一緒に同行してほしかったが、まぁ居ない人間の事を言っても仕方がない。
君は死にたくなければ死ぬ気で右手を盾にしろ。」
死にたくなければ死ぬ気で右手を盾にしろ、と何とも矛盾した発
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