第16話
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たが俺は生きている。
これで充分だろ、だから火織がそう悩む必要はない。」
彼らしからぬ優しい言葉をかけると神裂はさっきより顔を赤くして失礼します!!、と叫んで勢いよく部屋を出て行った。
「からかったらなかなか面白いな、あいつ。」
「星、ですか。」
窓もドアも階段もなくエレベーターも通路もない、建物として全く機能する筈もないビルは大能力者の空間移動がなければ出入する事も出来ない、最高の要塞の中で魔術師ステイル=マグヌスは目の前の人間の言葉を聞いて眉をひそめる。
目の前に直径四メートル、全長一〇メートルを超す強化ガラスでできた円筒の器に赤い液体で満たされた中で逆さまになって浮かんでいる。
男にも女にも見えて大人にも子供にも見えて、聖人にも囚人にも見える人間。
学園都市の最大権力者であり、学園都市総括理事長、アレイスター・クロウリーはステイルに言った。
「そうだ、麻生恭介が所有している能力の名前だ。
これほど彼の能力にあった名前はない。」
ステイルはあの麻生の能力について考える。
確かに自分の「魔女狩りの王」の弱点を一瞬で見極め、さらに封じ込めるという事までしでかした。
あの時、インデックスが自動書記モードになった時も麻生一人で解決した。
「君は星に意思があると思うか?」
突然のアレイスターの問いかけにステイルは答える。
「ない、と私は思います。
この星、地球はただ回り土地としての機能など有しているだけで意思などないと考えます。」
「それは間違いだ。
私達人間に感情などがあるように星に限らず植物と言った物、全てに意思はある。」
ステイルはその話はどちらかと言えば魔術側の話になるのにこの人間は淡々と語る。
「彼はその星と繋がっている。
単に繋がっているのではなく星の力を操る事が出来るのだよ。」
「ッ!?・・・それでは彼は・・・・」
「そう、彼がその気になればあらゆる秩序や法則など改変することができ、この世界を創り直す事も可能だ。」
そんなことは人間の領域を超えている。
それはもう神の位と同じだとステイルは考える。
もしあの時、麻生がその気だったらステイルなど簡単に殺せたのでは?と思ったがアレイスターの説明はまだ続いていた。
「だが、それは本来の力を操る事が出来たらの話だ。」
「どういう事です?」
「簡単な話だ、彼はまだ自分の能力を完全に制御できていない。
せいぜい、二〇〜三〇%辺りの力しか使えていない。」
なぜそんな事をこの人間は知っているのか聞きたかったが聞けば自分の命はないとステイルは思う。
「だが、それでも彼の力
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