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戦国異伝
第八十七話 朝攻めその四
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の家臣は多いがそれでも忍となると限られる。男はこの二人の名を挙げた。
「滝川か。それとも蜂須賀か」
「滝川の様です」
 その家臣は彼だと答える。それはその通りだった。
「あの男が来ているそうです」
「織田家の中で最近特に頭角を現しているそうじゃな」
「はい、その者が来ておる様です」
「ならば余計にじゃ」
 男は滝川の名を聞いて面頬の奥の目を険しくさせた。そのうえでの言葉だった。
「警戒を怠らぬ様にな」
「滝川という者は蜂須賀より危ういのですか」
「蜂須賀でも同じじゃが油断できぬ」
 そうだというのだ。忍というだけでだというのだ。
「ましてあの者は城攻めを得意としておる」
「ううむ、そうなのですか」
「ではやはり夜ですな」
「夜に気をつけますか」
 こうしてだ。男の言葉もありだ。城の者達は夜襲への警戒を怠らなかった。それは夜通し続き誰もがまんじりともしなかった。しかしだ。
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