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戦国異伝
第八十六話 竹中の献策その八
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げるか」
「いざとなればな」
 こう言ってだ。逃げる機会さえ探していた。
 そのうえで前を見る。前では織田家の軍勢が身構えている。それを見てだ。
 浪人だった者達はだ。嫌な顔でこう言った。
「ううむ、今にもじゃな」
「こっちに来るぞ」
「銭は貰った。では後は適当にやりたいが」
「堺に入って漁師にでもなるか」
 こんなことを言う者もいた。
「わしは百姓に戻るわ、村に戻ってな」
「うむ、それがいいな」
「そうじゃな。適当に戦をしてな」
「生きようぞ」
 戦うつもりはあまりなかった。適当にやるだけだった。
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