第8話 未来の覇王 中編
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「それは本当のことなのかしら」
「山陽の麒麟児」について、秋蘭に調べさせていたのだけど、やっとわかったわ。
「はい、華琳様。山陽の麒麟児の名前は劉ヨウと言います。山陽太守の長男で、あの三公を4度勤められた劉寵の甥に当たります」
彼は山陽太守の長男らしいわ。
太守の息子が「山陽の麒麟児」とは正直驚いたわね。
それも男だなんて。
この女尊男卑の世で考えられないことね。
余計に興味が湧いてきたじゃない。
何としても「山陽の麒麟児」に会いたくなったわ。
「斉の孝王劉将閭の末子にして、牟平共侯劉渫の直系の末孫。清流派の名門一族の子弟というわけね」
確か彼の父劉輿も人物に定評があるし、祖父劉本も県令を勤めた人物と聞いたことがあるわ。
私の祖父曹騰は宦官で、母曹嵩はその養子。
私は清流派の者達から卑しき宦官の孫だと嘲笑されている。
母上も乞食同然分際で宦官の養子となり、金に物を言わせて官職を手に入れた成り上がり者などと陰口を立てられているわ。
そんな私とは正反対の立ち位置にいる人物。
「ふふっ・・・。面白いわね」
そんな人物が私をどう思うかしら。
私を嘲笑した清流派の者達と同じように、私を卑しき宦官の孫と嘲笑するかしらね。
私は劉ヨウという人物に対しての興味を更に強めていた。
「それで華琳様。耳寄りの情報です。その劉ヨウがこの陳留に入っているそうです」
「秋蘭っ!それを早く言いなさい。それで劉ヨウは何処にいるのかしら」
「洛陽に向かっているとのことですので、この街を通るかと思われます」
「秋蘭、劉ヨウがこの街に入ったら留め置き直ぐ知らせなさい。それと丁重にお持て成ししなさい」
「はっ! お任せください。華琳様」
「お待ちください。もしや山陽太守劉輿のご子息様ではございませんでしょうか?」
陳留郡に入ってしばらくして、街が見えてきたので、宿を探していると水色の髪で、片目を隠した女の子に呼び止められました。
何処かで見たことがある顔だなと思いました。
「「何者だ!」」
護衛の兵士達が、警戒して私と少女の間に立って訝しんで言いました。
「私、曹操に仕えし夏候淵と申す者にございます。主に仰せつかって、劉ヨウ様を丁重にお持て成しするようにと仰せつかっております」
知っている顔だなと思ったら、若いですが明らかに夏候淵です。
この子があのクールビューティーに成長するのですね。
私は感慨深く夏候淵を見ていました。
「曹操?もしやあの曹騰殿の孫か?」
「はい、その通りでございます」
「折角の招待痛みいるが、儂等は先を急ぐ故、曹操殿にはまたの機会にお呼びくだされと伝えて
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